映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

ヒューマンドラマ

アダプテーション(2002)

実在の人気脚本家チャーリー・カウフマンが 四苦八苦しながら書き上げた脚本は超一級の奇抜さ原作は女性ライター、スーザン・オーリアンが珍種の幽霊蘭の採取に情熱を燃やす蘭コレクター、ラロシュに密着したノンフィクションです。しかし、本作で描かれるの…

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ(2009)

激動の人生を歩むジョン・レノンの最初の試練 2人の“母”の間で揺れるジョンの切ない青春時代を描くビートルズ結成前、母の愛を求めて苦悩したジョン・レノンの青春時代が描かれます。 ***** 【ストーリー】 1950年半ばのリバプール。ジョン(アーロン・ジョ…

望み(2020)

それぞれの「望み」に戸惑い、 翻弄される家族の姿が涙を誘う原作は、読書家のためのブックレビューサイト「ブクログ」のアンケートで、読者満足度100%を獲得した、ミステリー作家・雫井脩介のベストセラー小説です。絶望の中に芽生えた一縷の「望み」。し…

最高の人生の見つけ方(2019)

名女優が渾身の演技で笑って泣かせる 大人の女性のための人生賛歌余命宣告をされた、ワガママな富豪の男と実直な自動車整備士が、生涯最後の冒険の旅に出ます。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの2大名優が、立場を超えた友情を築き、最高の人生…

ロード・トゥ・パーディション(2002)

トム・ハンクスがアメリカ版『子連れ狼』に?! マフィアの世界で生きる父子の辛く切ない復讐の道程純粋に父に愛されたいと願う息子と、素直な形で息子への愛を示せない父。1930年代のアメリカ、仁義なきマフィアの世界で生きる道を選んだ父と息子の葛藤と絆を…

ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017)

2人のハリウッド女優が美しく魅せる、 女性のための崇高なラブストーリー実力派のハリウッド女優、レイチェル・ワイズとレイチェル・マクアダムスが紡ぐ禁断のラブストーリー。許されぬ愛と生に苦悩する、2人のユダヤ教の女性の姿が描かれます。 ****** 【ス…

キッド(1921)

チャップリンが生み出したシュールな放浪者と 純真無垢な子どもが織りなす名作喜劇 山高帽にちょび髭、燕尾服もどきの上着にだぶだぶズボン。ステッキを片手にひょこひょこ歩く“小さな放浪者”は、稀代の喜劇王チャップリンが生み出した名物キャラクターです…

マン・オン・ザ・ムーン(1999)

不世出のエンターテイナー、アンディ・カフマン 彼を愛する人々が作り上げた、奇抜で温かい伝記映画コメディアンでありながら、観客を笑わせて楽しませるだけでなく、時には凡庸な芸で退屈させたり、過激な言葉で挑発したりして、怒りさえも与えてしまう予測…

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018)

孤高の画家ゴッホの謎めいた生涯と創作の秘密に迫る 圧倒的な映像美で魅せるアートエンターテイメント作美術史上最も人気の高い画家の一人として知られる、印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ。しかし、彼の作品が世に認められたのは、彼の死後のこと…

グラン・トリノ(2008)

クリント・イーストウッド監督・主演の名作 誇り高き孤独な老人が見せる男の生き様 『ミスティック・リバー』(’03年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(‘04年)での、自らの信念のために主人公たちが選択した、やるせない結末を観て、私はすっかりクリント…

そして父になる(2013)

実の子どもか、育ての子どもか 親と子が互いに抱くピュアな愛に涙が止まらない本作を映画館で観たとき、近くにいた40代の女性が早々に泣き始め、物語が半分程過ぎた頃、隣にいた30代の男性が声を殺して泣いていました。その後、2人は涙を流し続けました。そ…

電話でだきしめて(2000)

今観ると、懐かしくて、とっても温かい! 電話が繋ぐ家族の絆を描いたハートフルコメディロマンティックコメディの女王、メグ・ライアンが『電話で抱きしめて』ほしいのは、ひょんなことから恋に落ちる未来の恋人ではありません。3人姉妹の真ん中に生まれた…

グッバイ、リチャード!(2018)

破天荒なジョニー・デップが楽しい! 小粋で愛すべき人生賛歌ジョニー・デップが久々に主演を務めたインデペンデント映画です。逃れられない死を前に、自分らしく生きようとするリチャードの爽快な生き様がユーモアたっぷりに描かれています。デップがさすが…

アメリカン・ビューティー(1999)

イギリス人監督サム・メンデスが捉えた アメリカの中流家庭の崩壊劇 第72回米アカデミー賞(2000年度)で作品賞を始めとする主要5部門を制した辛辣なファミリードラマです。舞台監督としてキャリアを築いたイギリス人のサム・メンデスが、長編フィルム初監…

マリー・アントワネットに別れを告げて(2012)

フランス革命最中のヴェルサイユ宮殿で何が起こったか マリー・アントワネットに翻弄された少女の悲劇フランス王妃として華麗かつ奔放に生きたマリー・アントワネットはギロチンで処刑されるという悲劇的な最期を迎えました。彼女の処刑宣告は7月14日、フラ…

三度目の殺人(2017)

〈人は真実とどう向き合うか〉 是枝裕和監督が投げかける問題作『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』など、国内外で高い評価を受ける是枝裕和監督。その理由は、きちんと人間を描いているからでしょう。さまざまな悩みを抱えた人々の姿に自分を…

アビエイター(2004)

飛行機と映画にかけた実業家 ハワード・ヒューズの栄光と転落の半生巨万の富、世界的な地位と名声を手に入れた成功者の中には、どうしてこうも常人の想像を超えた波乱の人生を送ってしまう人がいるでしょうか?ハワード・ヒューズは1930 ~40年代にかけて、…

ニューヨーク最高の訳あり物件(2017)

略奪婚したキャリアウーマンと前妻が繰り広げる同居生活の行方 経験豊かな女性たちが魅せる、軽妙洒脱なコメディ映画ニューヨークの超高級アパートを舞台に描かれるのは、 “訳あり”な2人の女性の熾烈なバトル。『アンナ・ハーレント』の社会派女流監督マルガ…

ハーモニー 心をつなぐ歌(2010)

家族を思う美しいハーモニーに感動 辛酸をなめた女囚たちの奮闘に涙が溢れる泣かせるドラマメイキングはさすが、韓流ドラマです。女性刑務所を舞台にしながら、人の優しさ、温かさに溢れ、映画を見ている間中、とめどなく涙が流れました。 ******** 【ストー…

海よりもまだ深く(2016)

なりたい大人になれない中年男を癒す 切なくも温かい家族の絆『そして父になる』『海街Diary』など、切なくも温かい家族の姿を描いてきた是枝裕和監督作品です。「みんながなりたかった大人になれるわけじゃない」。この切ないフレーズに共感を覚える人は多…

ノートルダムの鐘(1996)

フランス文学の香り漂うディズニーヒーロー 愛する人のために懸命に闘う姿に感涙醜い容姿を人前に姿をさらすのは罪であるとされ、ノートルダムの鐘楼の中でひっそり暮らすカジモドと偏見を憎み、自由を愛するジプシーの踊り子エスメラルダ。正反対に生きるふ…

ブラザー・ベア(2003)

目には目を、熊嫌いには熊を 人間の若者キナイが荒療治の末に知った真実の愛本作は44作目のディズニー長編アニメ映画なのですが、ディズニーにしては地味な作品といえるでしょう。ディズニーアニメの代名詞である〈ミッキー・マウス〉や〈くまのプーさん〉の…

ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017)

〈人を想う大切さ〉が心にしみる 優しさにあふれたファンタジー原作は「東野圭吾史上、最も泣ける感動作」と評されるベストセラー小説。時代を超えて届けられる手紙が紡ぐ奇蹟を描く、優しさにあふれたファンタジーです。 ****** 【ストーリー】 1970年代、…

ザ・ロイヤル・テネンバウム(2001)

ちょっぴり“闇”気味の癖強めキャラたちがぶつかり合う 反面教師テネンバウム家に見る極上のヒューマンドラマ人はだれも家族を選んで生まれてくることはできませんが、それでも家族は無条件に愛を注げる対象でしょう。だから家族に愛情を抱けないことほど哀し…

マイマイ新子と千年の魔法(2009)

片渕須直監督・脚本の秀作アニメーション 無邪気な子どもたちの純粋な勇気が胸を打つ太平洋戦争下の広島を舞台にしたアニメーション『この世界の片隅に』(’16年)が高い評価を受けた片渕須直監督が2009年に発表した作品です。原作は芥川賞作家・高樹のぶ子…

マイティ・ハート/愛と絆(2007)

テロリストに夫を奪われた妻の愛と勇気の物語 ブラピとアンジーの共同プロジェクトとしても注目2002年1月、パキスタンでテロリストに誘拐され、殺害された報道記者の妻が夫の失踪から殺害を知るまでの苦悩の日々を綴ったノンフィクションを出版しました。こ…

彼女が消えた浜辺(2009)

イランで大ヒットを記録した 人間のエゴに迫った心理サスペンス映画本国イランでは2009年度の年間興行収入第2位を記録、ベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞)ほか、数々の賞に輝いた注目のイラン映画です。 *************** 【ストーリー】 イラン人の…

蟹工船(2009)

『蟹工船』のような世界はもう無くなってほしい “自分らしい働き方”を勝ち獲る労働者たちの闘争小林多喜二が昭和初期に発表したプロレタリア文学の最高峰『蟹工船』が2009年、映画化されました。長引く不況により、労働環境が激変していた2000年代後半、原作…

長いお別れ(2019)

認知症の父が教えてくれる家族の絆の大切さ 普遍的なメッセージが心に響く滋味深い作品認知症を患った父親と家族との7年間の軌跡が描かれます。直木賞作家・中島京子の実体験に基づく原作を、長編映画デビュー作『湯を沸かすほどの熱い愛』(’16年)で高い評…

ロルナの祈り(2008)

カンヌ国際映画祭で数々の賞に輝く ベルギーの巨匠監督ダルデンヌ兄弟が描く愛の奇跡『ロゼッタ』(’99年)、『ある子供』(’05年)で2度のカンヌ映画祭パルムドールに輝いたベルギーの巨匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の監督が手がけたヒュー…