映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

シモーヌ(2002)

CG女優シモーヌが巻き起こす大騒動
落ち目の映画監督を演じるアル・パチーノが楽しい

落ち目の映画監督ヴィクターが、コンピュータで造り出した美人女優シモーヌが世界中で大ブレイク! ヴィクターは実在の女優と信じるマスコミやファンを相手に嘘を重ねていくはめになります――。

トゥルーマン・ショー』(’98年)の脚本で注目されたアンドリュー・ニコルの監督第2作は、CGを例にして、テクノロジーに翻弄される現代人を戯画化したファンタジーコメディです。

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【ストーリー】
ヴィクター・タランスキー(アル・パチーノ)はかつてアカデミー賞にノミネートされたほどの映画監督でしたが、今や落ち目になってしまいました。出演者を繋ぎとめることもできず、映画プロデューサーのエレイン(キャサリン・キーナ―)に妥協を勧められても、プライドを捨てることができません。
そんなある日、主演女優に契約を破棄され、映画撮影が中止になってしまったヴィクターは、彼のファンだと言うプログラマーのハンクに出会います。ハンクは「自分なら理想的な女優を提供できる」と熱弁しますが、ヴィクターは怪しげなハンクにビビッて立ち去ってしまいます。
すると後日、ハンクの死の報せとともに、彼の遺品が届きました。それは、"SIMULATION ONE"と名付けられた、バーチャル女優作成プログラムでした。
9ヶ月後、新人女優“シモーヌ”を主演に据え、ヴィクターが監督した映画が大ヒットを記録。シモーヌは類い稀なる美貌と才能を持った女優として、注目を集めます。マスコミはシモーヌを追いかけますが、彼女はインタビューを拒否し、映画の宣伝活動にさえ姿を見せませんでした。
なぜならシモーヌはさまざまな有名女優のパーツを集めて造られたバーチャル女優だったのです。

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本作が製作された2002年当時、すでにCG技術でフェイクな映像を作り出すことへの批判の声はとうに消えつつあり、テーマとしては遅きに失した感も。そのため、シニカルな毒の効き目は薄めですが、虚構に振り回される映画製作者や大衆を徹底的に茶化したストーリーは素直に楽しめます。

人気者になるに連れ、シモーヌの仕事は増えて新作映画の撮影にインタビュー、歌手デビューしてコンサートを開き、なんとアカデミー主演女優賞まで受賞してしまいます。

世間の過剰反応に狼狽しながらも、シモーヌのプログラミングに励むヴィクターを誇張気味に演じるアル・パチーノが最高です!


シモーヌ [ アル・パチーノ ]


シモーヌ(字幕版)

ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017)

2人のハリウッド女優が美しく魅せる、
女性のための崇高なラブストーリー

実力派のハリウッド女優、レイチェル・ワイズレイチェル・マクアダムスが紡ぐ禁断のラブストーリー

許されぬ愛と生に苦悩する、2人のユダヤ教の女性の姿が描かれます。

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【ストーリー】
ニューヨークで写真家として活躍するロニートレイチェル・ワイズ)は、厳格なユダヤ教のラビであり、超正統派の指導者を務める父の訃報を受け、故郷イギリスへ帰ります。ある理由から信仰を捨て、父から親子の縁を切られていたロニートの突然の帰郷を、ユダヤ・コミュニティーの人々は冷たい視線で迎えます。
ラビの後継者として期待されるドヴィッド(アレッサンドロ・ニヴォラ)は驚きつつも、幼なじみのロニートを温かく受け入れます。しかし、ロニートは、彼の妻が幼なじみのエスティ(レイチェル・マクアダムス)であることを知り、動揺します。ロニートエスティはかつて惹かれ合っていたのです。

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新聞の死亡欄に「ラビには子供がいない」と書かれたり、父の遺産がすべてユダヤ教会に寄付されたりと、父から自分の存在が認められていなかったことを再確認し、打ちひしがれるロニート。一方、厳格な戒律に従うエスティの生活は息苦しく、エスティも幸せそうには見えません。

そんな2人が、かつて愛と希望を抱いた相手に救いを求めるのは自然な流れでしょうか? 信仰によって、対照的な生き方を余儀なくされた2人の女性が選択したのは――。

原作はフェミニズム文学の旗手として期待されるイギリス人女流作家ナオミ・オルダーマンの自伝的初長編作『Disobedience』。

ユダヤ教徒レズビアンというセクシャルな題材が注目されますが、根本には「自由に生きる」という誰もが求める普遍的な問題が提示されています。特に、さまざまな場面でまだまだ抑圧される女性にとっては考えさせられるでしょう。

日本語で「不服従」「反抗」を意味する、ストレートで力強いタイトル通り、閉鎖的なユダヤ・コミュニティー中で自分の意思を貫こうとするロニートエスティを気高く、美しく演じ上げた2人の女優の渾身の演技が光ります。


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キッド(1921)

チャップリンが生み出したシュールな放浪者と
純真無垢な子どもが織りなす名作喜劇

山高帽にちょび髭、燕尾服もどきの上着にだぶだぶズボン。ステッキを片手にひょこひょこ歩く“小さな放浪者”は、稀代の喜劇王チャップリンが生み出した名物キャラクターです。

紳士的な身なりと思いきや、ズボンのお尻には大きな継ぎあてがあり、裾はボロボロ。靴も穴ぼこだらけです。そんな貧しさをもろともせず、一人で飄々と生き抜く“小さな放浪者”が、本作では捨てられた赤ちゃんを育てることになります。

今で言う“コミュ障”の気もありそうな、トラブルメーカー、“小さな放浪者”がシュールな笑いの果てに起こす感動のドラマは必見の価値ありです。

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【ストーリー】
恋人の芸術家に捨てられた若い女性(エドナ・パ―ヴィアンズ)は悩んだあげく、出産したばかりの男の子を立派な邸宅の前に止めてあった車の中に置き去りにします。しかし、「良い家庭で育ってくれれば……」という願いもむなしく、車は2人組の泥棒に盗まれてしまい、貧民街へたどり着きます。そして、泥棒たちは車の中に赤ちゃんを道端へ置き去りにしてしまいます。
そこへ、朝の散歩中の“小さな放浪者”(チャールズ・チャップリン)がやってきます。赤ちゃんを見つけた放浪者は、そばにいた乳母車の女性の“落とし物”だと思ったのか、女性に返そうとしますが、怒られてしまいます。困った放浪者は赤ちゃんを道端へ戻そうとしますが、警察官に見られてしまい、赤ちゃんを抱えたまま、うろうろ。通りがかりの老人に渡そうとしますが、うまくいきません。そんなこんなで、放浪者が赤ちゃんを引き取ることに。
それから5年、放浪者と5歳になった男の子、キッドはすっかり仲のいい親子になっていました。

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放浪者が赤ん坊を抱いて、右往左往するシーンから楽しいです。警官や乳母車の女性らの強気の姿勢に、小心者の放浪者は本当のことが言えず、オロオロするばかり。仕方なく赤ちゃんを家へ連れ帰りますが、マイペースに生きてきた放浪者が子どもを育てられるのでしょうか?

ところが、5年後、放浪者はニコニコしながら子どもを見つめる“優しいお父さん”になっていました。この時のチャップリンの本当に子どもが好きそうな笑顔がたまりません。

自分の方がキッドよりパンケーキを多く食べたり、キッドにこずるい商売の片棒をかつがせたり、町の乱暴者にすごまれてビビッたりと、放浪者の“せこい”行動で笑わせるドタバタ調の展開が続きますが、中盤からは親子の絆が試されます。

熱を出したキッドを往診した“ダメ医者”は放浪者から本当の父親ではないことを告白され、キッドを孤児院に入れようとします。それを必死に阻止しようとする放浪者。さらに、女優として成功したキッドの母親が現れて……

本作で、チャップリンは主演に加え、監督、脚本、製作、音楽の5役を務めています。とびきり明るいドタバタコメディに、“親子の別れと絆”という、ちょっぴり切ないヒューマンタッチを加え、心温まる感動作に仕上げました。

チャップリンが生み出した“小さな放浪者”は本作で長編映画デビューを飾り、以降、『黄金狂時代』(’25年)や『街の灯』(’31年)などの名作のリードキャラクターとなり、多くの人々に愛されました。

そして、特筆すべきは、本作が今からちょうど、90年前に作られたサイレント映画であること。まずは古い作品がいつまでも観られることに感謝したいです。昔のことを知るのは本当に貴重です。便利な道具や満足なお金が無い中でも、前向きに生きていた人々の姿には教えられることが多いでしょう。

映画の原点であるサイレント映画は、今の暮らしを見つめなおすきっかけを与えてくれるかもしれません。

チャップリンはトーキー映画が本格化しても、芸術性の高いサイレント映画にこだわり続けたそうです。そんなチャップリンの熱い思いが込められた映画でもあるのです。


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フラバー(1997)

コミカルなロビン・ウィリアムズを脇にまわすのは、
ILMの最新テクノロジーを結集させたすごいヤツ

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(’97年)で、初めてアカデミー最優秀助演男優賞に輝いたロビン・ウィリアムズが同年に出演した本作は、もうひとつの助演(?)作品です。

主演はもちろんフラバーです! といっても、フラバーとは単なる緑色のくねくねした物体。しかし、これが、ジョージ・ルーカスが創始した、世界最高峰の特殊視覚効果を誇るVFX工房、ILM(インダストリアル・ライト&マジック)の最新テクノロジーを結集させたすごいヤツなのです。

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【ストーリー】
底抜けにうっかり者の天才科学者フィリップ教授(ロビン・ウィリアムズ)は研究に没頭すると周囲が見えなくなってしまいます。そのため、勤めている大学の学長で婚約者のサラ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)との結婚式を2度もすっぽかしていました。最後のチャンスとなった3度目の結婚式の当日、フィリップは長年研究していた究極のエネルギー体“フラバー”の発明に成功し、またまた結婚式をすっぽかしてしまいます。
当然、サラは激怒し、フィリップとの別れを切り出します。しかし、フィリップは資金難の大学を救おうと考えます。

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フラバーとは空飛ぶゴム(フライング・ゴム)のことで、自由自在に形を変えますが、その動きはいたってナチュラル。しかも目も鼻も口もない、ただの塊なのに悪戯好きの子供のようなパーソナリティを持っています。この世紀の発明をめぐる大騒動が夢溢れる映像で描かれていています。

1961年に大ヒットしたコメディ『うっかり博士の大発明フラバァ』をリメイク。製作・脚本はホームアローン』のジョン・ヒューズ、監督は『34丁目の奇蹟』('94 年)のレス・メイフィールドが手掛けています。

完全に子どものためにディズニー映画ですが、製作時の最新技術をふんだんに使った、実に野心的な映画です。

もう一人(?)助演女優賞にも匹敵する演技を見せているロボット、ウィーボの演技にも注目。そして、何より、天然ボケのフィリップを楽しそうに演じている、コミカルなロビン・ウィリアムズがたっぷり見られるのもうれしいです。

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【素顔のロビン・ウィリアムズ

ロビン・ウィリアムズは'98年に『フラバー』、'99年に『パッチ・アダムズ』、’00年に『アンドリューNDR114』と3年連続、映画のプロモーションのために来日しました。

これは作品に対する意気込みの表れか、相当な親日家か、とにかく映画メディアに携わる者にとっては貴重な俳優であることには間違いなかったですが、同時に彼は記者泣かせとしても有名でした。

なにしろロビンの登場とともに有名俳優を待ちかまえる記者会見場の緊迫した雰囲気は一転、コメディクラブの様相を呈し、質問などそっちのけでスタンダップコメディショーが始まります。そして記者たちは笑い涙を流すのです。

ロビンの得意芸は何と言っても物まねです。「もしもこんな人が『ハムレット』をやったら」といきなり始めたのが、【低音で暗くつぶやくスタローン】、【ターミネーターの悪漢ばりのシュワルツェネッガー】、【陽気なジャック・ニコルソン】、【食べることが好きなマーロン・ブランド】。

さらに、ロバート・デ・ニーロや、その当時、天才子役として注目を集めていた『シックス・センス』のハーレイ君の物まねもやってくれました。

また、ある年の記者会見では、最前列の記者のビデオカメラを取り上げて、当時話題になっていた『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の一幕を演じてくれました。自分で持ったビデオカメラに向かって決死の演技をするあの場面です。

ただ、贅沢なエンターテイメントショーの代償なのでしょうか、ロビンが映画の質問にまじめに答えるのはほんのわずかで、いつもギャグ6+下ネタ4で切り返されてしまい、本当に記者泣かせ(´;ω;`)。

でも、特徴をついた見事な模写や、人を幸せな気分にさせるパフォーマンスには、その裏にある研究熱心さと、きめ細やかな一面をうかがうことができました。

さて、『アンドリューNDR114』は映画俳優活動の一時休業を宣言したロビンが、休業直前に出演した作品で、本作以降、映画PRで来日することはありませんでした。

とっても明るいロビンでしたが、アルコール中毒症になるなど、長年、精神的にいろいろ抱えていたようですね。彼の弾けるような笑顔が本当に恋しいですね……。


フラバー (字幕版)


フラバー [ マーシャ・ゲイ・ハーデン ]

ハリウッド的殺人事件(2003)

アメリカの刑事たちの知られざる実情が明らかに?!
ハリウッド的な軽さが身上の刑事アクション

実際にロス市警には副業を持っている刑事が多いというから驚きます。かつてどんな刑事ものでも触れられなかったこの事実を大々的に告発する! なんて気はさらさらありません!

副業を持つ、殺人課の刑事コンビの奮闘が、ハリウッド的な明るいノリで描かれます。

ハリソン・フォードジョシュ・ハートネットが共演したコメディタッチのバディムービーです。

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【ストーリー】
ライブの最中、人気ラップバンドのメンバーが全員射殺されるという凶悪事件が発生し、ベテラン刑事のジョー(ハリソン・フォード)と新米刑事のK.C.(ジョシュ・ハートネット)が捜査にあたります。
ところが、ジョーは不動産仲介業に必死だし、ヨガ講師のK.C.は実は俳優に憧れており、捜査どころではありません……。

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アクションヒーローがよく似合うハリソン・フォードと、当時人気若手俳優の筆頭だったジョシュ・ハートネットの共演とあれば、クールで硬派な刑事ドラマが観たいものですが、それぞれの事情や夢のために副業をせっせとこなす能天気な刑事も悪くありません( ´艸`)

「仕事なんて、そんなもの」。生真面目そうな両俳優に言われれば、気楽な気分になってきます。まさに「ハリウッド的」な軽さが身上の娯楽アクション映画です。

監督は『さよならゲーム』のロン・シェルトンが手掛けています。


ハリウッド的殺人事件 [ ハリソン・フォード ]

引っ越し大名(2019)

大名たちの壮大な引っ越しを描く
ほのぼのとした味わいのある時代劇

江戸時代、幕府が大名に領地の移し替えを命じる、“国替え”と呼ばれる制度がありました。命令の下った大名は、藩の家臣とその家族すべてを引き連れ、新しい領地へ移るのですが、時には1万人にも上る規模の藩を丸ごと移動させるとなれば、物理的にも経済的にも、その苦労は容易にうかがい知れます。

本作は、そんな“武士のお引っ越し”をめぐる、てんやわんやの大騒動を描くコメディタッチの時代劇。ほんわかした人柄が魅力の星野原が、無理やり“引っ越し奉行”に任命された、内気で引きこもりの侍をコミカルに演じています。

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【ストーリー】
姫路藩の藩主、松平直矩(及川光博)に日田(大分)への国替えが命じられます。ところが、これまで国替えを仕切っていた大名がすでに亡くなっていたため、困った家老たちは、本ばかり読んでいるから、いろんな知識があるのでは、と書庫番の片桐春之助(星野原)に目を付けます。
春之助は人と話すのが苦手で書庫にこもっていただけなのですが、「断れば切腹」と家老たちに迫られ、泣く泣く“引っ越し奉行”の大役を引き受けます。

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広大な城の整理や、財政による引っ越し費用の削減など、途方もなく面倒な任務を、春之助がビビりながらも成し遂げていく過程がユーモアたっぷりに描かれます。

春之助の幼なじみでお調子者の侍・廣村源右衛門役の高橋一生の弾けっぷり、前引っ越し侍の娘で、ヘタレな春之助を叱咤激励する於蘭役の高畑充希の小気味よい演技など、芸達者な俳優たちが豊かなキャラクター造形で、映画を楽しく盛り上げます。

全編笑って観ていられますが、上司の命令に翻弄されるサラリーマンの悲哀を連想させる展開も本作の妙味です。

のぼうの城』の犬童一心監督が、闘いを強いられる侍たちの“引っ越し”という、人間味あふれる日常に光を当てた、味わいのある作品です。


引っ越し大名!【Blu-ray】 [ 星野源 ]

マン・オン・ザ・ムーン(1999)

不世出のエンターテイナー、アンディ・カフマン
彼を愛する人々が作り上げた、奇抜で温かい伝記映画

コメディアンでありながら、観客を笑わせて楽しませるだけでなく、時には凡庸な芸で退屈させたり、過激な言葉で挑発したりして、怒りさえも与えてしまう予測不可能なパフォーマンスで注目を浴びたアンディ・カフマン。

しかし、彼が見せたパフォーマンスの数々は、「人生は驚きの連続であること」、そして、そんな人生を心から楽しむことの素晴らしさを謳った人生賛歌だったのかもしれません。

惜しくもアンディ・カフマンは1984年に35歳の若さでこの世を去りましたが、それから約25年の時を経た1999年、不世出のエンターテイナーの雄姿を再び観たいと願った人々の手によって、最高の映画が製作されました。

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【ストーリー】
アンディ・カフマン(ジム・キャリー)は子どもの頃からの夢だったコメディアンになり、各地のコメディクラブを巡業していました。そんな時、有名プロデューサー、ジョージ・シャピロ(ダニー・デビート)の目に留まり、人気コメディ番組「サタデー・ナイト・クラブ」への出演をきっかけに、スターの仲間入りを果たします。
やがてアンディは奇抜な芸風で人気を博すようになります。女性蔑視発言をして、全米の女性を挑発し、本気で女性チャレンジャーとレスリングをしたり、男性プロレスラーと戦って首を損傷したり、さらには、デブのラウンジ歌手「トニー・クリフトン」を登場させ、毒舌を吐きまくったり……。
そんな過激な芸風が物議を醸すなか、アンディは病魔に侵されてしまいます。

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製作総指揮のジョージ・シャピロとボブ・ズムダはアンディを支えたスタッフとして、製作と出演を兼ねた俳優ダニー・デビートはアンディの出世作であるシチュエーションテレビ・コメディ『タクシー』の共演者として、ほかにもバック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドク役でおなじみのクリストファー・ロイドを始め、ジェリー・ローラー、キャロル・ケインら、アンディとともにコメディ界を歩んできた仲間たちがカメオ出演して、アンディ・カフマンの伝説を盛り上げています。

監督は『カッコーの巣の上で』(’75年)、『アマデウス』(’84年)で2度のアカデミー賞に輝くミロシュ・フォアマン。本作では、第50回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)に輝きました。

そして、アンディを演じた主演のジム・キャリーは、初めてコメディではなくヒューマンドラマ主演作となった『トゥルーマン・ショー』(’98年)に続いて2年連続ゴールデングローブ賞主演男優賞に輝き、ハリウッドでのキャリアを不動のものにしました。

周囲に何を言われようとも、我がコメディアン道を貫いたアンディの魂が乗り移ったかのようなジムの、アンディへの熱い思いが込められた“怪演”は見ものです。


マン・オン・ザ・ムーン【Blu-ray】 [ ジム・キャリー ]


マン・オン・ザ・ムーン オリジナル・サウンドトラック