映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017)

2人のハリウッド女優が美しく魅せる、
女性のための崇高なラブストーリー

実力派のハリウッド女優、レイチェル・ワイズレイチェル・マクアダムスが紡ぐ禁断のラブストーリー

許されぬ愛と生に苦悩する、2人のユダヤ教の女性の姿が描かれます。

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【ストーリー】
ニューヨークで写真家として活躍するロニートレイチェル・ワイズ)は、厳格なユダヤ教のラビであり、超正統派の指導者を務める父の訃報を受け、故郷イギリスへ帰ります。ある理由から信仰を捨て、父から親子の縁を切られていたロニートの突然の帰郷を、ユダヤ・コミュニティーの人々は冷たい視線で迎えます。
ラビの後継者として期待されるドヴィッド(アレッサンドロ・ニヴォラ)は驚きつつも、幼なじみのロニートを温かく受け入れます。しかし、ロニートは、彼の妻が幼なじみのエスティ(レイチェル・マクアダムス)であることを知り、動揺します。ロニートエスティはかつて惹かれ合っていたのです。

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新聞の死亡欄に「ラビには子供がいない」と書かれたり、父の遺産がすべてユダヤ教会に寄付されたりと、父から自分の存在が認められていなかったことを再確認し、打ちひしがれるロニート。一方、厳格な戒律に従うエスティの生活は息苦しく、エスティも幸せそうには見えません。

そんな2人が、かつて愛と希望を抱いた相手に救いを求めるのは自然な流れでしょうか? 信仰によって、対照的な生き方を余儀なくされた2人の女性が選択したのは――。

原作はフェミニズム文学の旗手として期待されるイギリス人女流作家ナオミ・オルダーマンの自伝的初長編作『Disobedience』。

ユダヤ教徒レズビアンというセクシャルな題材が注目されますが、根本には「自由に生きる」という誰もが求める普遍的な問題が提示されています。特に、さまざまな場面でまだまだ抑圧される女性にとっては考えさせられるでしょう。

日本語で「不服従」「反抗」を意味する、ストレートで力強いタイトル通り、閉鎖的なユダヤ・コミュニティー中で自分の意思を貫こうとするロニートエスティを気高く、美しく演じ上げた2人の女優の渾身の演技が光ります。


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ロニートとエスティ 彼女たちの選択 (字幕版)