映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ブラックホーク・ダウン(2001)

ソマリ族民兵と米軍特殊部隊が死闘を繰り広げた
戦場のありのままを描いた戦争映画

1993年10月3日、ソマリアの首都モガディシオで米軍特殊部隊とソマリ族民兵壮絶な市街戦を繰り広げました。

部族間抗争の停戦のために米軍が決行した作戦が一転、15時間にわたる死闘を招いたのは仲間を救おうとする米兵たちの勇敢さでした。

原作者のマーク・ボウデンがこの戦闘を経験した兵士たちの肉声を集めたルポルタージュリドリー・スコットが忠実に映像化した本作品。

「戦場のありのままを描いた戦争映画」というキャッチコピーに二言はなく、全編にわたってひたすら凄まじい闘いの場面が続きます。

事実から戦争について再考させるのが狙いです。

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【ストーリー】
平和維持軍としてソマリアに派遣された米軍のレンジャー部隊とデルタ部隊、合わせて100人の精鋭たちに任務決行の指令が下ります。
ソマリアの部族間抗争を長期化させるババルギディル族の幹部集会に乗り込み、指導者アイディード将軍の副官2名を捕らえるというその任務は、綿密な計画のもとに1時間足らずで終わるはずでした。
ところがソマリ族民兵の攻撃により最新鋭米軍へリ、ブラックホークが墜落したことから米兵たちに新たな任務が課せられます。
それは暴徒化した民兵に襲われかねない仲間を救うための戦いでした。

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物語はレンジャー部隊第4班の指揮を任されたエヴァーズマン二等軍曹(ジョシュ・ハートネット)を中心に展開します。

彼を始め登場人物の多くは実在の人物です。映画では100人の米軍兵士を40人ほどのキャストに限定するため、実際には複数人が行なったことをひとりの人物に集約した部分もあるそうですが、戦場での彼らの行動に脚色はないそうです。

特殊視覚効果と実写撮影により生み出された戦闘シーンは、目を背けたくなるほど生々しく、一触即発の民兵と米兵の攻防はスリル満点。暴徒たちがじりじりとブラックホークへ向かう描写も鬼気迫るものがあります。

リアルであると同時に魅せる映像はさすがリドリー・スコット

本作の一番の特徴は製作側の明確なメッセージが描かれていないことです。映画の中にいる、生きるために殺し合う人間の姿に人々は何を思うでしょうか?

ちょうど20年前に製作された映画ですが、時代は平和になるどころか、悪化していく一方の気がしてなりません。


ブラックホーク・ダウン【Blu-ray】 [ ジョシュ・ハートネット ]


ブラックホーク・ダウン (字幕版)