ただただ肉体と撮影手法の眼界に挑んだ
純な製作姿勢に好感が持てるムエタイ・アクション映画
2000年代に入ると、ハリウッド製アクション映画は最新技術を駆使してスケールアップを図っていきました。
本作が製作された2003年は、斬新なアクションで注目を集めた『マトリックス』の続編2作が相次いで公開され、世界中を賑わせました。
そんななかで、CGやワイヤーをまったく使わないアクション映画というのは最高のジョークと皮肉に映りました。
タイの伝統的な格闘技、ムエタイで戦うタイ映画『マッハ!』は、スタントマン出身のタイ人俳優トニー・ジャーがすべてのアクションシーンを自分で演じているのが話題となりました。
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【ストーリー】
タイの田舎の村から神聖な守り神オンバク像の首が盗まれてしまいます。僧侶プラ・クラから古式ムエタイを学んだ孤児の若者ティン(トニー・ジャー)がバンコクの密輸団にいる犯人のドンを追いかけます。
バンコクで、ティンは同郷のジョージに協力を求めますが、借金まみれのイカサマ師ジョージはティンの所持金を違法な賭け試合につぎ込む始末。ティンは金を取り戻すためにリングで戦うはめになりますが、なんと一撃で相手を倒してしまいます。