Mr.インクレディブル
理不尽な社会にもめげないスーパーヒーロー一家の活躍に
生きるパワーをもらえるピクサーアニメ第6弾
自分のために理想を追うか、家族のために現実にとどまるか。ふたつの相反する生き方を前に迷っている人、あるいは実際にどちらかを選んでもなお「本当に良いのだろうか」と悩んでいる人はきっと多いに違いありません。人助けという天職に燃えるスーパーヒーロー、ミスター・インクレディブルもそのひとりでした。
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【ストーリー】
スーパーヒーローの驚異的なスーパー・パワーが社会の迷惑になるとされ、政府はスーパーヒーロー制度を廃止、ヒーローたちは正体を隠し、普通の人間として暮らすことを余儀なくされてしまいました。
それから15年、ミスター・インクレディブルことボブは保険会社に勤め、元スーパー・レデイの妻ヘレンや3人の子供たちとともに平凡ながらも幸せな家庭を築いていました。
しかし、どうしても過去の栄光、理想の生き方を捨て去ることができないボブは謎の依頼主の誘いに応じ、家族に内緒でヒーロー活動を再開させます。
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2004年に製作されたピクサーアニメ第6作は、元スーパーヒーローの葛藤と活躍を描いたアクションアドベンチャー。
オモチャ、昆虫、モンスター、魚ときて、初めて人間の世界が舞台になっています。と言ってもスーパーヒーローというキャリアの持ち主たちの物語は過去の作品同様、完全なファンタジー。でも、理不尽な社会で思い悩み、「エイヤー!」と飛び出した挙句、自分にぴったりな生き方を見つけるヒーローたちの姿は大人の心をぐっとつかんで離しません。
しんみりと考えさせるテーマが根底に流れながらも、そんな迷いをぶっ飛ばす爆笑エピソードが連続します。哀愁に満ちたオヤジのボブが立ち直れたのも、ポジティブでマイペースな家族や仲間たちがいたからこそ。なかでもヘレンの功績は大きいです。まさに体を張って家族を守る逞しい母親ヘレンには、笑いだけでなく生きるパワーをもらえることでしょう。
まんまと敵の罠にはまってしまったボブを家族たちが救いに行くという筋立てはシンプルですが、愛らしいキャラクターと、それらの特徴を生かしたユーモア、エネルギッシュなアクション、現代人の心のツボを刺激するハートフルなメッセージ。これらをすべて盛り込んだピクサーアニメが作品ごとにヒット記録を塗り替えるも納得です。
本作は、アカデミー長編アニメ映画賞、アニー賞全10部門ほか、多くのアニメ賞を受賞しました。
ピクサー作品は世知辛い現代社会に舞い降りたヒーローのよう。素晴らしいインクレディブル一家にも匹敵する、無敵のピクサーを印象付けた作品です。
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