NINE
国際色豊かな豪華スターが魅せるミュージカル映画
イタリア的華麗なる“愛”のドラマが楽しい！
ダニエル・デイ＝ルイス、ニコール・キッドマン、ペネロペ・クルス、マリオン・コティヤール、ソフィア・ローレンなど、オスカー級のトップスターが豪華競演を果たしたミュージカル映画。
2009年に製作された作品で、イタリアの名匠フェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』に着想を得た人気ブロードウェイ・ミュージカルを、『シカゴ』のロブ・マーシャル監督が鮮やかに映像化しました。
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【ストーリー】
卓越した才能で名高いイタリア人映画監督グイド・コンティーニ（ダニエル・デイ＝ルイス）は、待望の9作目『ITALIA』の制作を前に脚本が1行も書けない苦境に立っていました。そんな事情を知らないプロデューサーやスタッフが着々と撮影準備を進めるなか、記者会見で「『ITALIA』は壮大な映画」と嘘をついたグイドは記者の鋭い質問に動揺して会見場から逃げ出し、海辺のホテルに雲隠れしてしまいます。
大スランプに落ち込むグイドですが、女性への愛や欲望は尽きないようです。亡きママ（ソフィア・ローレン）の幻影に甘え、妻ルイザ（マリオン・コティアール）に救いと慰めを求める一方で、愛人カルラ（ペネロペ・クルス）との情事にふけったり、美人記者ステファニー（ケイト・ハドソン）の誘惑に乗ったり、主演女優クラウディア（ニコール・キッドマン）に甘い言葉をかけたり……。
そんなイタリア的伊達（だて）男というより、大人になり切れないダメ男、グイドと彼を取り巻く女たちとの“愛”のドラマが華麗なミュージカルシーンを交えて描かれます。
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主要キャストが舞台セットに勢揃いしたオープニングから迫力があります。さまざまな立場の女性たちがグイドへの思いを伝える形でミュージカルシーンが挿入されます。豪華俳優たちにはそれぞれ単独のステージが用意されており、渾身の１曲を歌い踊ります。セリフを歌うミュージカルというよりは完全なステージショーとして楽しめます。
クルスはランジェリー姿で妖艶に歌い踊り、抒情的な夜景セットでしっとり歌うローレンはさすがの存在感、コティヤールは貞淑な妻から強い女性へと脱皮するルイザを熱演します。
軽快なポップナンバー「シネマ・イタリアーノ」でパワフルな歌唱とダンスを披露するハドソン、気品溢れるキッドマン、ベテラン女優ジュディ・デンチやグラミー賞受賞歌手ファーギーも素晴らしいパフォーマンスを見せます。
どうしようもない色男グイドを飄々と演じたデイ＝ルイスがコミカルな姿と共に歌と踊りを初披露するのも必見です。
実際に歌い踊った映画スターたちの力演、夢幻の世界へ誘うスタイリッシュなステージ、高級リゾートホテルや映画の殿堂チネチッタスタジオといったイタリアならではの洒落たロケーションなど、贅を尽くし、魅せることに徹したハリウッド的ミュージカル映画に「ブラボー！」と喝采を送りたい！
