マスク男の秘密を明かす掟破りな展開に
目をそらさずにいられるか?
本作のオリジナルはスペインのアレハンドロ・アメナバール監督が手がけ、世界の映画祭で高評価を得たSFアクション『オープン・ユア・アイズ』(‘97年)。
そのタイトルがラストの秘密を物語るサイコスリラーを、主演と製作を兼ねるトム・クルーズが惚れ込みリメイクしました。
‘’70年代のアメリカン・ロックシーンをモチーフにした青春ドラマ『あの頃ペニー・レインと』(’00年)で、一躍脚光を浴びたキャメロン・クロウ監督・脚本の作品としても注目を集めました。
******
【ストーリー】
精神分析医が顔にマスクをかぶった不気味な男に過去を尋ねているやり取りから、その男が殺人容疑者だと分かります。そして男の過去の風景が浮かび上がります――。
金も地位もあるディヴィッド(トム・クルーズ)は、恋人のジュリー(キャメロン・ディアス)が同席するパーティで親友が連れてきたソフィア(ペネロペ・クルス)に一目惚れします。プレイボーイのデヴィッドにとっては珍しく本気の恋でしたが、それがジュリーの嫉妬をかってしまいます。
ようやくソフィアと結ばれたのもつかの間、デヴィッドはジュリーに連れ出されたドライブで転落事故に遭い、自慢の顔に醜い傷を負ってしまいます。
この事故を契機に、ディヴィッドは何もかもがうまくいかなくなり、精神的に追い詰められることに。
*****
何よりマスク顔のインパクトが絶大なため、男の謎を解き明かす過去の回想にぐいぐい引き込まれます。
でも、サスペンス映画では主人公が危険な目に遭っていると思ったら、それは悪夢だったというシーンがよく登場しますが、本作はそのこけおどし的な手法を膨らませただけともいえます。
あまりにも掟破りな辻褄の合わない展開に陶酔できるか、めまいを起こして気分が悪くなるか、本作への反応は二分するでしょう。