Mr.&Mrs. スミス(2005)
ブラッド・ピット対アンジェリーナ・ジョリー
殺し屋夫婦の壮絶ながらも愉快なバトル
美男美女の人気スターの共演は集客の大きな要素となりますが、内容いかんでは単なる客寄せパンダと成り果てる危険も併せ持ちます。
でも、ハリウッドきってのトップスター、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの初共演作は2人の個性がぴたりとはまっています。
人気者の宿命か、つねに私生活(おもに恋愛関係)がクローズアップされる2人。真偽の分からぬゴシップ報道がもとではありますが、彼らの性格や行動パターンのイメージを刷り込まれている人は多いに違いありません。そんな2人のイメージを面白おかしく味付けしたブラックコメディの趣です。
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【ストーリー】
2人が演じるのは電撃結婚してから5、6年経った夫婦。一瞬で生まれた激しい愛もどこへ消えたか、倦怠期真っ最中です。妻は几帳面ですが、夫は細かいことを気にしません。気の強い妻は夫が口応えしないのをいいことに物事を何でも自分の思いどおりに進めてしまいます。夫は面倒くさいからおとなしくしているだけなのに……。
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この関係って、男女の間ではよく見られるパターンですが、人気大物スターの2人が結婚しても、さもありなんと思えるところがとにかくおかしいです。
実は倦怠の理由は性格の不一致ではなく、互いが本音を語らないからなのですが、2人とも暗殺エージェントでありながら、その正体を隠して結婚したため仕方ありません。
コンピュータの修理と偽って暗殺に出かける妻、夫も同様。しかし、同じ標的を狙ったことから互いの正体を知ってしまった2人は、自分の身を守るために相手を殺さなければならなくなります。
夫婦で殺し合いとはちっとも笑えない状況ですが、全編ユーモアとシャレっ気にあふれています。
相手の一挙一動が殺しの合図に感じられ、緊迫感漂うディナーの席で、不敵な笑みを浮かべる妻にビビる夫。互いの目的が分かった後の開き直った暗殺計画、家中を破壊しての大乱闘も妻の方が一枚上手。2人のイメージがあるからこそ生きてくる壮絶なバトルには笑いが止まりません。
そして最高にウケるのは、嘘で塗り固められた結婚生活がうまくいくわけがないというごもっともな意見を、自分に正直に生きるゆえに派手な恋愛遍歴を重ねる両俳優が語る皮肉。さらに本気でぶつかり合えば愛が生まれるというメッセージを当人たちが実証したこと。
三枚目に徹しながらも決めるところは決めてくる、両スターには脱帽です。サービス精神たっぷりの妙演にふたりのイメージが変わる人も多いでしょう。
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と、映画そのものはとても良かったのですが、この映画をきっかけに結婚したブラピとアンジーはその後、多くの子どもたちに囲まれた最高にハッピーそうな家族でしたが、結局、離婚してしまいましたね。
「やっぱり」感が無きにしもあらずですが、2人の歴史を絡めてみると、また新たな面白さがあるかもしれません?!