映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ(2018)

他愛のない家族の問題を温かく見つめる
愛と笑いに包まれた、古き良き日本映画

山田洋次監督が、現代家族の悲喜こもごもを描く、人気喜劇映画のシリーズ第3弾です。

今回のテーマは、“主婦への賛歌”。幸せだけど、どこか満ち足りない専業主婦、史枝の反乱が、愛と笑いの大騒動へ発展します。

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【ストーリー】
舞台は、横浜の住宅街で、3世代がにぎやかに暮らす平田家。専業主婦の史枝(夏川結衣)は、商社マンの夫、幸之助(西村雅彦)と育ち盛りの2人の息子、義父母の周造(橋爪功)と富子(吉行和子)ら、家族の世話に明け暮れる毎日を過ごしていました。
ある日の昼下がり、史枝が家事の合間にうとうとしていると、平田家に泥棒が入ります。すぐに史枝が気づき、大きな被害は史枝のへそくり50万円でした。
しかし、幸之助は、史枝の無事よりも、自分が渡していた家計費から史枝がへそくりをしていたことに激怒。そんな幸之助の姿に日ごろの不満を爆発させた史枝が家出をしてしまいます。

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ひと癖ある周造とボヤキながらも夫を支える富子、日本の典型的な家族ともいえる幸之助夫婦に加え、幸之助の妹でしっかり者の成子(中嶋朋子)ととぼけた味わいのある夫(林家泰蔵)、幸之助の弟で優しい庄太(妻夫木聡)と包容力のある妻、憲子(蒼井優)など、平田家の面々を演じる俳優たちは、別ストーリーの『東京家族』(’13年)を加えると、4回目の共演となり、個性豊かなキャラクターを息ぴったりに演じています。

終わってみれば、他愛のない平凡なストーリーですが、底抜けに楽しい! ほのぼのとした温かさにつつまれた、今では“貴重な”古き良き日本映画です。


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