映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

ストーリー・オブ・ラブ(1999)

ラブストーリーでは普遍的なハッピーエンドのその後を描く
夫婦で始める新たなラブストーリー

まだ愛を知らなかった子供の頃は不思議でした。どうして愛し合って結婚した夫婦が憎み合って離婚をしてしまうのだろうかと。

でも、それは十分に愛を知り尽くして結婚したはずの幾千人の男女にとっても、永遠にわからない問題なのでしょう。。。

結婚15年目にして離婚問題に直面した、ある夫婦の物語にこの答えのヒントは隠されているのでしょうか?

恋人たちの予感』のロブ・ライナーが監督した本作は、夫婦が織りなすロマンティックコメディ。ラブストーリーでは普遍的なハッピーエンドのその後を描き、夫婦としての愛の形を模索しています。

******************************

【ストーリー】
作家のベン(ブルース・ウイリス)と新聞のクロスワードパズルの問題作成者であるケイティ(ミシェル・ファイファー)は恋愛結婚し、ふたりの子どもにも恵まれたごく普通の結婚15年目の夫婦です。
しかし、少年のような夢と遊び心に溢れた奔放さをもつベンと、几帳面で現実的にものごとを進めていくケイティにはいつしか溝が生まれていました。始めは魅力的に思えた相手の価値観が、結婚という現実のレールを歩むに連れ、勘にさわるものでしかなくなってしまったのです。
夫婦でカウンセリングに通ったり、ヨーロッパへ旅行したりとなんとか現状を修復しようとするものの、もどかしいほどに空回りするベンとケイティ。やがてあらゆる手を施した2人は最後の手段として、子どもたちがサマーキャンプで家を留守にする1ヶ月の間、別居生活をして、お互いの本当の気持ちを確かめることにします。

******************************

主人公の夫婦を演じるのは、久々に古巣のロマンティックコメディに帰ってきたブルース・ウイリスと、ロマンティックコメディはお手のもの、女性が憧れる才色兼備のミシェル・ファイファー。亀裂の原因となる両者の性格そのままの配役が、物語にリアリティをもたらし、感情移入させられます。

2000年代は、得意のアクションや、サスペンスタッチの作品が多いブルースは、本作以降、生粋のラブストーリーには出演していません。すっかり特殊な役柄が板についてしまったブルースが、愛に悩む“普通”の中年男性を軽妙に演じているのも一興です。

妻を想ってむせび泣くブルース・ウイリス、夫に対する想いの丈をぶちまけるミシェル・ファイファーなど、両者の喜怒哀楽のすべてを使って愛する気持ちを表現する名演にも後押しされ、今一度「愛」に対する自分自身の現状を振り返ってみたくなります。

日々の生活、出産、子育てといった幸福な営みの陰で巣くっていた夫婦の崩壊へのエピソードをユーモラスに描きつつ、どこかシニカルな視点を感じさせるロブ・ライナーの演出が冴えます。

ある種バーチャル的な大人のラブストーリーです。


ストーリー・オブ・ラブ 特別版 [ ブルース・ウィリス ]


ストーリー・オブ・ラブ(字幕版)


ストーリー・オブ・ラブ オリジナル・サウンドトラック


Amazonプライム・ビデオ