映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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パーフェクトストーム(2000)

大嵐に巻き込まれた漁船員の悲劇の実話
最先端のテクノロジーで再現した驚異の映像

自然は人類に牙を剥いているのではない。ただ人類が地球に現れただけ。時として超一級の殺人者と化して荒れ狂う自然が存在する地球に――。

『パーフェクトストーム』は、1991年北太平洋上に発生した“想像を絶する”と称された大嵐と、その脅威にさらされた海に生きる男たちの死闘を描いています。

何千年もの進化を経て、ハイテク文明を築き上げてきた人類ですが、さらに膨大な時を経て息づいてきた自然に対する脆弱さをまざまざと見せつけられるショッキングなデザスターパニック映画です。

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【ストーリー】
最も海が荒れる10月、マサチューセッツ州グロースターの港から6人の海の男を乗せたメカジキ漁船のアンドレア・ゲイル号が出航します。
不漁続きで自信を失っていた船長のビリー(ジョージ・クルーニー)や恋人との新生活の資金が必要な新米漁師のボビー(マーク・ウォールバーグ)など、それぞれが人生の再起や安らぎを求めて決行された漁はもともと危険を承知の船出でした。
しかし、まさか想像を絶する大嵐に遭遇しようとは……。

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急速なCG技術の発展により、2000年代前半のハリウッドでは、大災害をテーマにした〈デザスターパニックアクション映画〉がブームのように製作されました。

本作は、大ベストセラーとなったセバスチャン・ユンガーのドキュメンタリーノベルを『Uボート』のウォルフガング・ペーターゼンが製作を兼ねて監督し、ジョージ・ルーカスが設立したデジタルイフェクツ工房ILM撮影当時の技術では難しかった水のCGイフェクツに挑戦しました。

注目は最先端のテクノロジーを駆使して描かれたリアルなデザスターシーン。漁船は凄まじい暴風雨やビル10階分に相当する高さ30メートルの大津波に遭遇したそうです。

物語前半では、「なぜその時漁に出なければならなかったのか?」という漁師たちそれぞれの境遇が丁寧に描かれ、彼らの複雑な人生模様が明らかにされます。そのため、後半で遭遇するパーフェクトストームは、彼らにとり、あまりにも残酷な仕打ちに映ります。

人間たちの頑な決意が自然の猛威によって、もろくも崩れ去る運命の瞬間まで見応えある人間ドラマと完璧なテクノロジーで惹きつけます。

スリー・キングス』(’00年)で息の合った演技を見せた、ジョージ・クルーニーマーク・ウォールバーグが再びタッグを組み、血気盛んな海の男を演じています。


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パーフェクト ストーム (字幕版)