映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

グリーン・デスティニー(2000)

中国の剣士たちが華麗な戦いを繰り広げる
ファンタジックなバトルアクション

第73回米国アカデミー賞で作品賞にノミネートされた(外国映画賞を受賞)のを始め、世界各国の映画祭で最大級の賛辞を得た中国武侠映画です。

型破りなアクションで武侠の醍醐味を味わわせ、内に秘めた一途な愛の物語で自らの真骨頂を発揮した台湾出身の監督アン・リーは本作で国際的に評価を高めました。

本作では、天下の名剣グリーン・デスティニーをめぐり、剣の英雄リー(チョウ・ユンファ)と彼の女弟子ユー(ミシェル・ヨー)、貴族の娘イェン(チャン・ツィイー)と盗賊のロー(チャン・ツェン)という2組の男女の運命が交錯します。

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【ストーリー】
リーは血で血を洗う江湖の争いに悩み、修業の道を捨て、自分の分身でもある名剣グリーン・デスティニーを置くことにします。ユーはそれを北京のティエ氏のもとに届けますが、何者かに盗まれてしまいます。犯人は貴族の娘イェンでした。彼女はリーの師匠の仇でもある女剣士に手ほどきを受け、荒々しいながらも華麗な剣の技を身に付けていました。

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修業によって、人間を超えたパワーを身に着けた英雄たちが、剣には剣で、肉体には肉体で立ち向かう一騎打ちの戦いが見どころ。『マトリックス』(’99年)に続き、大胆なワイヤーアクションが強烈な印象を与えています。

マトリックス』以降、ハリウッドでは、東洋的なマーシャルアーツを大胆なワイヤーワークを使って振り付けた“けれんみ”たっぷりのバトルアクションが一大ブームとなりました。

本作では、チョウ・ユンファミシェル・ヨーなど、香港アクションでならしたトップスターたちが貫禄たっぷりに、流麗なアクションを見せてくれます。

ワイドスコープで捉えた砂漠の荒野、緑深い山、清流の谷間など中国の原風景も素晴らしく、詩情豊かなアクション映画に仕上がっています。


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ヒックとドラゴン(2010)

ドラゴンの躍動的な飛翔シーンは必見
これぞ3D映画の真骨頂

バイキングの少年ヒックと傷ついたドラゴン、トゥースの友情と絆を描くファンタジーアドベンチャー

シュレック』のドリームワークスが製作したフルCG長編アニメーションです。

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【ストーリー】
遠い昔、海の彼方のバーク島では長年にわたり、バイキングとドラゴンの戦いが繰り広げられていました。バイキングの少年ヒックはドラゴン退治に向かい、1匹のドラゴンを撃ち落とすものの、怪我をしたドラゴンに止めを刺すことができず、傷が癒えるまでこっそりと面倒を見始めます。

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ドラゴンは欧米では絶大な人気を誇るファンタジーキャラクター。アニメやクリーチャー、CGなど、これまで数々のドラゴンが映画に登場してきましたが、本作のドラゴン、トゥースのキャラクター造形はピカ一。愛嬌たっぷりでとにかくかわいい! 見ているだけで頬が緩んできます。

キャラクターの魅力に加え、本作の最大の特徴はドラゴンのダイナミックな飛翔を見事に捉えたアクションシーン。そのスピード感と躍動感は2D版でもかなりの迫力ですが、3D版の楽しさといったら、とても言葉では言い表せません。3D映画独特の楽しさにどっぷり浸ってほしいです。

もちろん、映像だけで魅せる作品ではありません。

ヒックは族長の息子でありながら、何をやっても冴えない落ちこぼれ。一人前のバイキングになりたいと願いながらも、気弱な性格が邪魔をします。そんな不器用で情けないヒックがトゥースとの出会いで学ぶ事は多くの人の心に染みるはず

監督・脚本は『リロ&スティッチ』の名コンビ、クリス・サンダースとディーン・デュボア。

心も体もスカッとリフレッシュできる快作です!


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マイティ・ハート/愛と絆(2007)

テロリストに夫を奪われた妻の愛と勇気の物語
ブラピとアンジーの共同プロジェクトとしても注目

2002年1月、パキスタンでテロリストに誘拐され、殺害された報道記者の妻が夫の失踪から殺害を知るまでの苦悩の日々を綴ったノンフィクションを出版しました。

この痛ましい真実が、愛と勇気の物語となって映画化されました。

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【ストーリー】
米紙ウォール・ストーリート・ジャーナルの特派員ダニエル(ダン・ファターマン)が、「男に会う」と言って取材に出かけたまま、音信を絶ってしまいます。ラジオ局の記者である妻のマリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)は動揺しながらも気丈に振る舞い、夫の行方を追うCID(テロ対策組織)や FBIらの捜査を傍らで見つめていました。

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捜査を通して、謎めいたダニエルの足取りが徐々に明らかになり、誘拐犯へと迫っていくサスペンスタッチの物語。その中で、軸になるのは夫の安否を気遣うマリアンヌの姿です。

妊娠5ヶ月の体で、眠れない日々を過ごし、次第に憔悴していく中でも、ジャーナリストとしてできる限りのことをしてダニエルの救出に力を尽くします。

その一方で、2人の結婚式や仲睦まじく過ごす幸せな日々思い出して涙ぐむ、妻としてのマリアンヌ。愛する人を失う危機に必死で抗い、乗り越えようとするマリアンヌの姿が、この夫婦に突然降りかかった悲劇の世界へと観る者を放り込みます。

終盤、ついに知らされたダニエルの死。マリアンヌの慟哭は、これ以上ないくらいの悲しみを感じさせ、せつなさと痛みを伴って胸に迫ります。

愛する人を失ったら?〉。そんな不吉な思いに囚われてしまうほど、アンジェリーナ・ジョリーのリアルな演技に引き込まれます。

製作はブラッド・ピット。公開時には、ようやく公私共に正真正銘のパートナーとなった噂のカップルの共同プロジェクトとしても話題になりました。


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アクアマン(2018)

人気コミックヒーロー、海底人アクアマンが大活躍!
神秘的で壮大な海中バトル・アクションにどっぷり浸る

DCコミックヒーロー『アクアマン』を実写化。海中を舞台にした壮大なバトル・アクションエンターテイメントです。

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【ストーリー】
海底王国アトランティスの女王、アトランナ(ニコール・キッドマン)は、望まぬ結婚を拒んで地上へ逃げ出し、灯台守のトム・カリー(テムエラ・モリソン)に助けられます。やがて恋に落ちた2人は、男の子を授かり、アーサーと名付けます。
ところが、3人の暮らす陸の家が海底人に襲撃されてしまい、家族に危害が及ぶことを恐れたアトランナは2人を残してアトランティスへと戻る決心をします。
青年となったアーサー(ジェイソン・モモア)は超人的な能力を持っていましたが、陸海どちらの世界にもなじめず、一匹狼として生きていました。そんな彼の前に、海底王国ベゼルの王女メラ(アンバー・ハード)が現れます。メラはアーサーの異父弟で、アトランティス国の王となったオーム(パトリック・ウィルソン)の地球制服を阻止するために、アーサーに助けを求めにきたのです。

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海中を縦横無尽に泳ぎ、魚や海の生物と“会話”できるアーサー。海底人の血を引くヒーローの物語は見たことのない魔訶不思議で、神秘的な海底の光景が第一の魅力です。

海底では、オームを軸に七つの海底王国を束ねる真のリーダーをめぐる争いが繰り広げられます。オームとゼブラ王ネレウスとの駆け引き、オームとアーサーとの対決、さらにはアーサーに父を倒された恨みを抱く海賊ブラックマンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーンⅡ世)の攻撃が絡みます。
いくつもの壮絶なバトルがまるで海中にいるような臨場感たっぷりの映像で描かれます。

激しいアクションだけではなく、伝説の秘宝を探すアドベンチャーも用意されています。盛りだくさんのエピソードが次から次へと展開され、ストーリーを整理する間もないほどですが、頭を空っぽにして、ダイナミックなエンターテイメントの洪水に巻き込まれるも悪くないでしょう。

監督・ストーリーは、新進気鋭の映画製作者として注目される『ワイルド・スピード SKY MISION』(’15年)のジェームズ・ワン


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サマーウォーズ(2009)

デジタル社会で起こる夏の戦争
アバターとおばあちゃんが世界を救う

時をかける少女』(’06年)、『おおかみこどもの雨と雪』(’11年)、『バケモノの子』(’15年)など、ティーンエイジャーの冒険譚をダイナミックに描いたアニメーションと、家族の絆をテーマにした温かいストーリーで人気の細田守監督が2009年に製作した作品です。

初々しい高校生カップルを主人公に、緑豊かな日本の原風景と最先端のデジタル社会を融合させた異色の近未来ファンタジーです。

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【ストーリー】
そう遠くはない未来、コンピューター上には現実社会にリンクした仮想都市OZ(オズ)が構築され、人々の暮らしはさらに手軽で便利になっています。
高校2年生の健二(声・神木隆之介)は夏休みのアルバイトでOZの保守点検をしていましたが、憧れの先輩、夏希(声・桜庭ななみ)に頼まれ、一緒に彼女の田舎の長野へ向かうことに。健二が辿り着いたのは、戦国武将の末裔、陣内家。そこには数日後に開かれる夏希の曾祖母・栄(富司純子)の90歳の誕生会のために家族や親戚が集まっていました。
ある理由から、夏希のフィアンセのふりをすることになった健二は、困惑しながらも大家族の温かい雰囲気に気をよくします。そんな健二の携帯メールに不審な数学クイズが届きます。数学学生チャンピオンを狙えるほど数学が得意な健二は徹夜で解答し返信します。
しかし、翌朝のニュースで、OZの管理棟に侵入し、全世界4億人以上のアバターを奪取した犯人として、健二が指名手配されてしまいます。そして、OZ内で起こった異変は現実世界にも波及し、世界各地の交通網やライフラインが麻痺してしまいます。

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本作が公開された2009年には画期的だったアバターが活躍するストーリーに、当時(今も!)デジタル音痴の私は正直、ついていけませんでした。(;^_^A

OZはアバターという分身のキャラを設定し、アバターがネット内でしたことが現実世界でも起こる仕組み。流通や通信など、現実でもアバターを使って行えるものはありますが、OZには世界規模で警察や消防等の公共施設の窓口や医療データベースが登録され、日々のコミュニケーションがより簡単に取れるといいます。それがどれだけ便利なことなのか、いまいちピンとこないのですが、4億人のアバターを入手し、膨れ上がった謎のアバターがネット内で暴れ回っただけで、現実世界が混乱していく様子は迫力満点です。

個人ベースでもマシンだけで情報を管理することの怖さを知っている人は多いはず。それが、1つのシステムに全世界のデータが入っているとしたら……。

そんな謎のアバターの攻撃に立ち上がったのが栄おばあちゃん。ネット社会とは無縁のおばあちゃんは、世界に散らばる旧知の人々に電話をかけ、混乱を収めます。それを見た健二は格闘ゲームの世界的チャンピオンのアバターを操る13歳の少年、佳主馬(声・谷村美月)と組み、OZで成長した謎のアバター、ラブマシーンに立ち向かいます。

アバター同士の戦いが見どころとなる本作は、オンラインゲームの素養も必要になります。しかし、ネット内のアバターの活躍を支えるのが、現実世界の人々であるのがミソ。健二や親戚の大人たちは知恵や物資を提供し、ネット内で格闘する佳主馬を助けます。

オンラインゲームを通して、人々の絆の素晴らしさを描き出そうとするのは、オンラインゲームに夢中になっている世代に向けたメッセージでしょう。

でも、映画に描かれた世界より、今はもっと進歩しているのではないでしょうか? 近年、未来のデジタル社会をテーマにすると、あっという間に現実が追いついてしまい、なんだか映画が陳腐なものに見えてしまうのが玉にきず。映画は時代を映す鏡と思えばいいのでしょうが……。

とはいえ、新緑のまぶしい田舎の風景、朗らかな大家族、そして、ダイナミックな格闘ゲーム――。爽快感溢れる映像はスカッとしたい夏にぴったりです。


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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男(2017)

ボルグVSマッケンローの伝説の試合を再現
孤高のスポーツ、テニスの醍醐味と奥深さを堪能

毎年7月にイギリス・ロンドン郊外の町ウィンブルドンで行われる「全英オープン(通称ウィンブルドン)」は伝統と格式があるテニストーナメントで、そこで優勝することはテニスプレイヤーにとって憧れであり、格別でしょう。

私はテニスが大好きなのですが、「ウィンブルドン」の時期はワクワクして、毎日、NHKのテニス中継を見ています。

本作はかつてウィンブルドン」で繰り広げられた伝説の試合の舞台裏を描いています。

常に冷静沈着で「氷の男」の異名をとる絶対王者のビヨン・ボルグと、試合中に暴言やつばを吐くなど気持ちに任せた放漫な振る舞いで、「悪童」とも言われたジョン・マッケンロー

’70年代~’80年代のテニス界で、絶大な人気を誇った伝説のプレイヤーが1980年、ウィンブルドン勝戦で3時間53分にわたる激闘を繰り広げ、華麗な技と卓越した精神力で両者一歩も譲らぬ試合は、人々を熱狂と興奮の渦に包みました。

本作では、そんな伝説の試合が生まれる軌跡を描き、ボルグとマッケンローの秘められた実像を明らかにしています。

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【ストーリー】
ウィンブルドンを4連覇中の24歳のボルグは一躍世界中から注目される存在となりました。しかし、幼い頃から、“キレやすい”自身の精神をコントロールしてきたボルグは、さらに5連覇へのプレッシャーから押しつぶされそうになっていました。
一方、マッケンローは、“キレやすい”性格ばかりが、世間で強調されることにイラ立ちを抱えていました。

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苦悩と葛藤に満ちたボルグのテニス人生を軸に描いた物語は、終始、緊張感が張り詰めています。

リアルタイムでこの試合を見て、感銘を受けたというヤヌス・メッツ監督は、抑制された演出でボルグの極限状態を表し、伝説の試合に向け、徐々にボルテージを上げていきます。

神経質すぎるボルグが乗り移ったかのような陰鬱な雰囲気に、爽やかなテニスドラマをイメージすると期待を裏切るかもしれません。

しかし、技術とともに精神面が大きく影響する孤高のスポーツ、テニスの醍醐味と奥深さを存分に堪能できます。

ボルグには、スウェーデン人俳優スベリル・グドナソン、マッケンローには、『トランスフォーマー』のシャイア・ラブーフ。共に本人を彷彿させる容貌と熱演も見どころです。


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PLANET OF THE APES/猿の惑星(2001)

鬼才ティム・バートンだから為せる
衝(笑)撃的なリ・イマジネーション版『猿の惑星

ダーク・ファンタジーの鬼才ティム・バートンが2001年、古典SFの名作『猿の惑星』をリ・イマジネーション(再創造)版として復活させました。

1968年に公開されたオリジナル版は、猿が人間を支配する斬新な舞台設定や未来世界の真実を描いた驚愕のエンディングなど、社会風刺的な要素が受け、センセーションを巻き起こしました。

それから30年以上の時を経て、時代の空気や人々の価値観が様変わりし、さらに、CG全盛になった映画製作や映画の捉えられ方が多様化されたなか、独特の感性でファンタジー世界のダークサイドを描いてきた鬼才は、古典SFの傑作として名を残す本作を、“かなりユニークな作品”に仕上げました。

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【ストーリー】
2029年、人類は調教したチンパンジーを相棒に宇宙開発を進めており、深宇宙に位置するスペース・ステーション、オベロン号にも調教中のチンパンジーが多数乗船していました。
あるとき、惑星間の奇妙な異常が確認されたためチンパンジーパイロット、ぺリクリーズを偵察ポッドに乗せて惑星に向かわせますが、磁気嵐に巻き込まれたポッドが行方不明になってしまいます。
宇宙飛行士のレオ・デイビッドソン大尉(マーク・ウォールバーグ)はチンパンジーの能力に懐疑的だったものの、パイロット仲間を助けるため上官の制止を振り切り惑星に飛び出します。
しかし、彼もまた磁気嵐に巻き込まれ超スピードで時空を超え、やがて密林のジャングルの中の沼地に墜落してしまいます。
水中に沈んだポッドの中からようやく脱出したレオは、逃げ惑う原始的な人間たちの群れに遭遇します。なんと、驚くべきことに彼らを追っていたのは甲冑に身を包んだエイプ(猿)兵士たち。そこは人間と同じ言葉を話す知能を持った猿たちが人間を支配する猿の惑星だったのです。

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オリジナル版を踏襲しているのは舞台設定と、そこへ不時着した人間の宇宙飛行士が惑星からの逃亡を試みるという大筋のみ。

元々、猿と人間の力関係が逆転した惑星は、たとえSFの世界と分かっていてもナンセンス的な要素は否めなかったのですが、本作ではオリジナル版では描ききれなかった、“ナンセンス”な部分をあぶり出そうとしたようです。

しかし、人間と猿の究極の知恵比べを描いた、バートン的世界観が濃厚な『猿の惑星には多くの異論が唱えられ、ゴールデンラズベリー賞最低リメイク賞を受賞するなど、再びセンセーションを巻き起こしました。

とはいえ、時間軸を巧みに使って惑星誕生の謎にリアリティを持たせた脚本は、その謎が衝撃的なラストとして明かされたオリジナル版とはまったく違う意味でよくできており、単なるナンセンスに留まらないバートン流の“遊び心”に溢れた作品となりました。

注目のラストシーンには、バートンの独創性がいかんなく発揮されており、観る者の想像を上回る点では、“あっぱれ!”と言ってもいいのではないでしょうか?

ティム・ロスやへレナ・ボナム=カーター、マイケル・クラーク・ダンカンなど、猿役の俳優たちはエイプスクールで猿の動作をマスターし、3~4時間かかるメイクアップから唯一のぞく目だけで猿たちの感情の起伏を表現しています。そんな俳優たちの野心的な試みは注目に値します。

オリジナル版の主人公チャールトン・ヘストンが出演したのも話題になりましたが、残念ながらゴールデンラズベリー賞の最低助演男優賞を受賞する結果に。

全体的にかなり厳しい評価を受けた作品ですが、オリジナル版を上回る衝撃を創造しようとしたバートン監督らしい“攻め”の姿勢には、好感が持てます。結果的に生まれたのは“笑劇”でしたが……。


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PLANET OF THE APES/猿の惑星 (字幕版)