映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

パンズ・ラビリンス(2006)

鬼才ギレルモ・デル・トロ監督が独特の世界観で描く
恐怖と希望が交錯する感動のダークファンタジー

迷宮世界で3つの試練に立ち向かう少女オフェリアの苦難を描くダークファンタジー

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【ストーリー】
1944年、独裁者フランコ政権下のスペイン。内戦で父を亡くしたオフェリア(イバナ・バケロ)は母親カルメンアリアドナ・ヒル)の再婚相手、ビダル大尉(セルジ・ロペス)が駐屯する山奥の屋敷で暮らし始めます。
冷酷無比なビダルとの生活は辛く、さらに身重のカルメンの体調が日毎に悪化し、オフェリアの不安と孤独は増すばかりでした。
そんな、ある夜、妖精が現れ、オフェリアを古代ギリシャの牧神パンの住む迷宮へと導きます。パンから「魔法の王国のプリンセス、モアナの生まれ変わりに違いない」と告げられたオフェリアは、パンの言葉に希望を見出し、プリンセスの証となる3つの試練に立ち向かう決心をします。

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醜い巨大ガエルや獰猛な怪物が待ち受ける迷宮世界の冒険譚は、スペインの暗黒の歴史を絡めて、シリアスで怖い物語に仕上がっています。

不気味な迷宮世界をリアルに再現した映像が恐怖に拍車をかけますが、最も恐ろしいのは、やはり現実社会に生きる人間です。希望を求めて試練に耐えるオフェリアにビダルの魔手がひたひたと忍び寄ります。

希望に満ちた未来へ辿りつくためには、辛く苦しい試練を乗り越えなければなりません。そんな厳しい人生の現実は、見方を変えれば、試練が必ずや希望を生み出すということではないでしょうか。

一途に希望を追い求めたオフェリアがそのことを証明するラストが感動的です。

監督はスペインの鬼才ギレルモ・デル・トロ。本年度のアカデミー賞で撮影賞、美術賞、メイクアップ賞の3部門を受賞するなど、世界各国で高評価を受けた作品です。

パンズ・ラビリンス (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
パンズ・ラビリンス [Blu-ray]

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