映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

永遠のこどもたち(2007)

失踪した子供が明らかにする呪われた孤児院の秘密
ギレルモ・デル・トロ製作の感動的なスリラー映画

忽然と姿を消した幼い息子の行方を捜す母親の魂の闘い――。とびきり怖くて、哀しい、ヒューマニズム溢れる異色のスリラー映画です。

*****

【ストーリー】
7歳まで孤児院で育ったラウラ(ベレン・エルダ)は、すでに閉鎖されていた思い出の孤児院を買い取り、夫と7歳の息子シモンとともに移り住みます。ラウラがそこで開園する障害を持つ子供たちのためのホームの準備を進めていると、シモンが奇妙な行動を取り始めます。誰も見えないのに友達と遊んでいるかのように振る舞うシモンを、ラウラは寂しさから空想の友達を作り出したと考えていました。

*****

閉鎖された孤児院という曰くありげな舞台がとにかく不気味。空想の友達と遊ぶシモン、豪雨の夜に訪れた修道服の老女、シモンとラウラ夫妻との関係など、ミステリアスな事象が次々に露呈され、不穏な雰囲気を高めていきます。

シモンの空想の友達は具体化し、ラウラは不安を募らせます。そして、待望のホーム開園日、集まった子供たちが仮面パーティーで楽しむなか、ラウラはおぞましい仮面をつけた子供に襲われます。その後、シモンが忽然と姿を消してしまいます。

海を飛ぶ夢』のベテラン女優、ベレン・エルダの抑制の利いた演技、オカルトタッチの衝撃的な演出など、緩急をつけながら恐怖をあおっていきます。

空想の友達の正体は容易に察知できますが、彼らが現れた理由と、彼らの存在を明らかにする過程を説得力を持って記した脚本がなかなかの出来。ドキドキハラハラするようなスリラーとしてだけでなく、子供を思う母の切ない愛の物語として、高い評価を受けました。

製作は、『パンズ・ラビリンス』の鬼才監督ギレルモ・デル・トロ。スペインのアカデミー賞ゴヤ賞に14部門ノミネートされ7部門受賞、米アカデミー賞外国映画賞のスペイン代表作品にも選出されました。

永遠のこどもたち (字幕版)

永遠のこどもたち (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
永遠のこどもたち [DVD]

永遠のこどもたち [DVD]

  • 発売日: 2012/05/09
  • メディア: DVD


Amazonプライム・ビデオ