映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

ナルニア国物語第2章:カスピアン王子の角笛(2008)

人気ファンタジー大作の第2弾
ナルニア国での壮大な冒険が再び

C・S・ルイス原作の人気児童書を映画化した冒険ファンタジー大作『ナルニア国物語』。シリーズ第2作は、映像、ストーリー、キャラクターという映画を構成する、すべての要素が格段の進歩を遂げ、観る者の期待を決して裏切らない堂々の出来栄えです。

***********

【ストーリー】
白い魔女ティルダ・スウィントン)の支配からナルニア国を救い出したペベンシー家の4兄妹、ピーター(ウィリアム・モーズリー)、スーザン(アナ・ポップウェル)、エドマンド(スキャンダー・ケインズ)、ルーシー(ジョージー・ヘンリー)は、第2次大戦下のイギリスへ戻ってきます。
しかし、平凡な学生生活はナルニア国の勇敢な王や王女として認められた4人には味気ないものに映りました。
ナルニア国への思いを募らせる4人の前に再びナルニア国への扉が開きます。

***********

イギリスの殺風景な地下鉄構内から自然と不思議に満ちたナルニア国へ。猛スピードで走る列車を巧みに使い、ナルニア国へのタイムワープを体感させる導入部から迫力ある映像に圧倒されます。

美しい海辺で、帰還を喜んだのもつかの間、4人は廃墟と化した王城を発見します。そこは彼らがいた時代から1300年後、ナルニア国は戦闘民族テルマール人に侵略され、偉大なライオンの王アスラン(声・リーアム・ニーソン)は国を捨てて姿を消したというのです。

テルマール人のカスピアン王子(ベン・バーンズ)と、王子暗殺を企み、王座を狙う邪悪な叔父のミラース(セルジオ・カステリット)との権力争いが発端となるストーリーは、人間の深い憎しみや怒り、欲望や慢心がもたらす戦いの悲惨さを、人間たちに翻弄されるナルニアの民の姿を通して色濃く浮かび上がらせます。

ナル二アの民は救世主と信じる4兄妹に希望を託してテルマール軍との闘いに挑み、4人の子どもたちはそれぞれに与えられた使命の重さに動揺し、時に選択を誤りながらも、ナルニア国の平和のために死力を尽くします。

厳しい試練を課せられ、苦しむキャラクターに感情移入を誘われます。なかでも、4兄妹のキャラクター造形はぐんと豊かになっています。それぞれの闘い方でナルニア国を守る決意をする4兄妹の複雑な心の変遷を、4人の子役たちが柔軟に表現。彼らは、外見だけでなく、俳優としても立派に成長しました。

第1章のようなおとぎ話色は薄れましたが、魅力的なナルニアのキャラクターたちは健在です。無骨だが本当は心優しいドワーフ、勇敢だがちょっぴりドジなネズミの騎士リーピチープなど、新キャラクターがいい味を出しています。

白い魔女も意外な形で登場するなど、驚きとユーモア、深淵な人間ドラマと壮大なアクションが融合した内容は、2時間38分の長尺をまったく飽きさせません。

本格ファンタジー映画に心から酔いしれてほしいです!


ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 [Blu-ray]


ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛 (吹替版)