映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女(2005)

想像力が生み出すナルニア
子供のためのファンタジーを忠実に映画化

「想像力」がなければ、決してたどり着けないナルニア国。1950年代に出版された英国の作家C・S・ルイスの原作はトールキンの『指輪物語』と双璧をなす児童向けファンタジーであり、子どもの頃に原作を読み、ペベンシー家の4人兄妹が体験する異次元のナルニア国でのアドベンチャーに想像を膨らませたファンが世界中にいるという人気シリーズです。

2005年、原作ファンにとっては待望の実写映画版がディズニーで製作されました。監督はファンタジー叙事詩ロード・オブ・ザ・リング』のアカデミー賞監督ピーター・ジャクソンです。

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【ストーリー】
第二次世界大戦下、4人の兄妹たちは戦火のロンドンを逃れ、老教授の住む田舎の屋敷へ疎開します。優しい母とは離れ、規則に厳しい秘書ににらまれる不自由な暮らしの中で、末妹のルーシーだけは無邪気に広大な屋敷を駆け回っていました。
かくれんぼをしていて迷い込んだ空き部屋で、ルーシーはカーテンに隠された衣装だんすを発見します。好奇心から扉を開けて奥へ進むと、なんと一面真っ白な雪の森が広がっていました。森で出会った半神半獣のフォーンはルーシーに言います。そこは、冷酷な白い魔女により永遠の冬に支配されたナルニア国だ、と。

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フォーンのタムナスさんにルーシーがお茶をごちそうになる、という微笑ましいくだりに始まり、初々しい新人子役たちと、奇妙な風貌のギリシャ神話のキャラクター、ビーバーやキツネなどしゃべる動物たちを中心に進む物語は、初めて目にするものを純粋に珍しがる小さな子どもならワクワクするはずです。

ナルニア国の救世主として期待された4人の兄妹が、子どもならではのずるさや弱さを克服し、白い魔女軍に立ち向かう姿には、兄弟と同世代の子どもなら自分の身に置き変えて何かを感じることができるでしょう。

同時期に生まれた原作同様、この映画版も一大ブームを巻き起こした『ロード・オブ・ザ・リング』との比較は免れませんが、あちらが、ピーター・ジャクソン監督の心血、肉汁まで注がれたようなこってり味なら、こちらは淡々とエピソードを重ねたあっさり味。パワフルでエキサイティングな映画に食傷気味の人にはかえって新鮮かもしれません。

子どものためのお話を忠実に映画化した結果ではありますが、文部科学省が絶対推薦したくなる、お行儀のよい正統派のディズニー映画になっています。(これは良い意味です)

良いお話で、おとぎの国を体感させる映像も本当に素晴らしいです。私も子どもの頃に観れたなら、もっと驚きを持って迎えられただろうな、とちょっぴり残念に思いました。

ぜひ子どもたちに観てもらい、夢の世界を感じてほしいです。

ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女(吹替版)

ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女(吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


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