映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ジェイン・オースティン 秘められた恋(2007)

多くの女性たちの生き方に影響を与えた
稀代の恋愛小説家ジェイン・オースティンの真実の愛

地位や財産のある名家へ嫁ぐこと中流階級の女性にとって最良の生き方とされた18世紀の英国で、結婚をめぐる騒動を通し、女性の生き方を冷静に見つめた女流作家ジェイン・オースティン

『分別と多感』『高慢と偏見』など、伝統的な階級社会や価値観に囚われた人々の中で、独自の生き方を追求するヒロインたちの物語には、ジェイン自身の苦い恋の経験が反映されていました。

本作は、2003年に伝記作家のジョン・スペンスが独自の調査で発見したジェイン・オースティンの知られざる恋の物語。多くの愛好家を持つ優れた恋愛小説を生みながら、ジェイン自身は生涯独身を通し、恋愛遍歴もあまり残されていません。そんなジェイン・オースティンドラマチックな愛の日々が初めて明らかになりました。

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【ストーリー】
1795年、英国の片田舎ハンプシャー中流階級の両親は経済的安定のために、20歳のジェイン(ジェイン・オースティン)を地元の名士レディ・グレシャムマギー・スミス)の甥ウィスリーと結婚させようとしていました。
しかし、お金ではなく、愛のある結婚を望むジェインは、休暇でハンプシャーを訪れたロンドンの法学生トム・ルフロイ(ジェームズ・マカヴォイ)と恋に落ちます。
18歳で小説『エリナとマリアンヌ』(後の『分別と多感』)を書き上げた聡明で独立心旺盛なジェイン。片や、知的で野性味溢れるトムは、地方の人々を蔑視する高慢さも見せるが、洗練されたジェインとの出会いで心を改める素直さもあります。
若く、進歩的な2人は自然に惹かれ合い、結婚を誓うが、それぞれの家庭環境が障害となる。結婚に家族の生活がかかるジェイン同様、トムも法律家となって貧しい家族を支えなければならなりませんでした。
2人が愛を貫く唯一の手段は駆け落ちすることでしたが……。

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愛のある結婚が愚かとされた時代の風潮により、引き裂かれた男女の姿を描く古典的なラブストーリー

可憐なアン・ハサウェイと男の弱さを巧みに表現したジェームズ・マカヴォイが、美しくも哀しい物語世界へ観る者を誘います

文学と結婚したような固物な中年女性という従来のジェインのイメージを大きく覆す点でとても興味深い作品です。


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