映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

メッセージ(2016)

地球外生物からの予想外のメッセージ
人生の意味を考えさせる、味わい深いSF映画

原作はSF小説の各賞を総なめにしたテッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』。

地球外生命体の存在をとおして、愛や平和、人生について、静かに語りかけた、滋味深いSF映画です。

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【ストーリー】
ある日突然、地球のさまざまな国に大きな宇宙船のような物体が現れます。地球外生物の侵略かと世界が混乱するなか、アメリカ政府は、宇宙船の内部から発せられる音や波動から、“彼ら”の言語を解明し、地球に現れた目的を解明しようと、言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)に協力を要請します。

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映画冒頭、女の子を出産し、幸せな日々を送りながらも最愛の娘を亡くし、悲しみにくれるルイーズの姿が描かれます。

湖畔の家に独りで暮らし、娘の死の悲しみが癒えない様子のルイーズですが、地球外生物とのコンタクトが彼女に驚くべき事実を突きつけます。

アメリカ軍のウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)指揮のもと、ルイーズや物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)が、不気味な飛行物体の内部で地球外生物と対面し、彼らと“言葉”を交わしていく過程が描かれます。

霧がかった空間でうごめく2つの謎の物体。ルイーズの捨て身の呼びかけに、彼らは黒い煙状の“表形文字”を吐き出して応えます。これらを彼らの言語ととらえたルイーズらはメッセージの解読に取りかかります。

地球外生命体との交流は実に神秘的です。タコのような足が7本あることから、ヘプタポットと名付けられた、ちょっぴり滑稽な地球外生命体たちですが、その存在をリアルかつ深遠なものに高めたストーリー展開が見事。へポタポットのメッセージは人類の予想だにしないものであり、同時に、ルイーズと娘との思い出の日々にも予想外の意味が隠されていたことが明らかになります。

監督は『灼熱の魂』でアカデミー賞外国語賞にノミネートされたドゥニ・ヴィルヌーヴ。20『ブレードランナー 2049』(2017)の監督を務めるなど、高い評価を受けています。


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メッセージ (字幕版)


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