あなたは私の婿になる（2009）
強くて、チャーミングな大人の女性
サンドラ・ブロックの魅力全開
上司の命令で偽装結婚しようとする男女の姿をコミカルに描くロマンティックコメディ。
女性の方が年齢も立場も格段に上、というのがこの物語の見どころです。
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【ストーリー】
ニューヨークの出版社の敏腕編集長、マーガレット（サンドラ・ブラック）は会社の誰もが恐れる鬼上司。就労ビザの申請ミスで国外退去を命じられたマーガレットは、滞在資格を得るために、とっさに部下のアンドリュー（ライアン・レイノルズ）との結婚を発表してしまいます。
アンドリューは激しく抵抗しつつも、自分の夢の実現を条件に結婚を承諾します。
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マーガレットの出社情報がEメールで配信されたり、彼女が姿を見せると社内に緊張が走ったり、鬼上司にビビる社内の様子が笑えます。
社内の空気を凍りつかせていることなどお構いなしのキツい鬼上司をサンドラ・ブラックがキビキビと演じて小気味よい！
2人は偽装結婚を疑う入国管理官を信用させるために、アラスカにあるアンドリューの実家へ結婚を報告しに行きます。
マーガレットはいつもこき使っていたアンドリューに弱みを握られてしまいます。それでも強気なマーガレットと、密約を結んだとたんに攻勢に転じたアンドリューはたわいもないことで衝突しながらも、家族の前では幸せなカップルを演じることになります。
仕事一筋のキャリアウーマンが想定外の花嫁役にてんてこ舞いになる様子を、サンドラ・ブロックが軽やかに、チャーミングに演じきっています。
したたかなマーガレットがドジな姿を連発することになる愉快なエピソードには、かなり恥ずかしいシーンもありますが、体を張って堂々と演じるサンドラの見事なコメディエンヌぶりが物語の面白さをより引き立てます。
3年も一緒に仕事をしながら、互いのことを全く知らない2人は、共に生活するうちに、アンドリューには父との確執があること、マーガレットには独りで生き抜く強さが必要だったことを知ります。
新時代が生んだ格差カップルはコミュニケーションが希薄な現代人の代表ともいえるでしょう。
女性も男性ももっと人に優しく、大らかに。アラスカの雄大な自然や、アンドリューの祖母や母といった朗らかな女性たちを見ていると、そんなシンプルなメッセージが伝わってきます。
奇抜な設定を洗練されたコメディーに仕上げたのは、『幸せになるための27のドラス』の女流監督アン・フレッチャー。
公開時、全米ではサンドラ・ブロックの歴代主演作でトップの興行収入を記録したそうです。
