映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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キャッツ(2019)

リアルでファンタジックな猫たちの世界
映画の魔法が生み出した新生『キャッツ』

1981年のロンドン初演以来、今なお世界中で愛され続ける人気ミュージカル『キャッツ』が実写で映画化されました。

ロンドンの路地裏を舞台に、人間の家族に捨てられた臆病な子猫ヴィクトリアと、“ジェリクルキャッツ”と呼ばれる個性豊かな猫たちとの、不思議な一夜の出来事が描かれます。

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【ストーリー】
人間にロンドンの路地裏に捨てられた白猫ヴィクトリアは、猫たちの集団ジェリクルキャッツに出会います。彼らはジェリクルボールという月夜の舞踏会を開こうとしていました。

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勇敢で兄貴肌の猫マンカストラップや、昼はぐうたらだけど夜は元気なおばさん猫ジェニエニドッツ、甘い歌声でメス猫を虜にする自由奔放な猫タガー、町一番のお金持ちでグルメな紳士猫バストファーンズなど、魅力的な猫たちが次々と登場。それぞれが思いの丈を歌い踊る、壮大なジェリクルキャッツのショーが繰り広げられます。

ストーリーは、「新しい人生に生まれ変われる」という遥かなる天井の世界へ行ける1匹のジェリクルが選ばれる特別な一夜の出来事。

自分たちが選ばれたい悪名高きコソ泥カップル猫マンゴジェリー&ランペルティーザが巻き起こすコミカルな騒動を交えながら、苦い人生にもめげず、明日を見つめる前向きな猫たちの姿が胸を打つ感動的なクライマックスへと向かいます。

映画版では、VFXを駆使し、体毛や体格、体の動きまで、リアルに“猫化”された俳優やダンサーたちによる、本格的なミュージカルシーンを実現。

ほとんどセリフはなく、全編、歌とダンスシーンで語り紡ぐ構成のため、ストーリーが分かりにくいきらいはありますが、素晴らしいパフォーマンスの数々で練り上げた、『英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』のトム・フーバー監督の演出力が冴えわたります。

物語をリードするヴィクトリアには、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルダンサー、フランチェスカ・ヘイワードを抜擢。愛らしい表情と圧倒的に美しいパフォーマンスで魅了します。

嫌われ者の孤独な猫クリザベラを演じるのは、『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソン哀愁漂う演技と魂のこもった歌唱で、強烈な存在感を発揮します。特に名曲『メモリー』のシーンは必見です。

他にも、ベテラン俳優のジュディ・デンチイアン・マッケラン、世界的人気シンガー、テイラー・スイフトなど、見応えのある面々が揃いました。

演者たちはピアノなどの生伴奏に合わせて踊り、さらに現場で歌も歌っているといいます。舞台さながらの臨場感と迫力、映画ならではのファンタジーと映像美が見事に融合した本作で、『キャッツ』の新しい楽しみ方が加わりました。

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と、私はストーリーらしきものがないことに物足りなさを感じつつも、とても楽しめたのですが、世間の評判はあまり良いとはいえないようですね。ゴールデン・ラズベリー賞では、最低作品賞を受賞。他にもさまざまな部門で受賞やノミネートされています。

やはりCGを駆使したリアルなネコ人間に不気味さを感じた人が多かったようです。私はあまり違和感を感じませんでした。人の考え方や感じ方って、つくづく違うのだな、と実感しました。


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