愛らしい“かいじゅう”たちの意外にシュールな世界にドキリ
孤独な少年が見つけた、温かくも切ない愛と友情
世界的人気を誇り、20世紀最高の絵本と称されるモールス・センダック原作の同名絵本を実写で映画化したファンタジーアドベンチャーです。
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【ストーリー】
8歳の少年マックス(マックス・レコーズ)は不満を抱えていました。姉のクレアは友達とばかり遊び、シングルマザーのママ(キャサリン・キーナー)は家事や仕事で忙しい。寂しさを募らせていたマックスは、ある晩、ママが恋人と親しくするのを見て、ついに不満を爆発させます。
食卓で暴れてママに叱られたマックスは泣きながら家を飛び出します。浜辺からボートで海へ漕ぎ出したマックスが辿りついたのは、不思議なかいじゅうたちのいる島でした。
かいじゅうたちに食べられそうになったマックスは、とっさに「僕は王様だった」とウソをつきます。すると、かいじゅうのリーダー格のキャロルは、離れて行く仲間たちを一つにまとめようと、マックスをかいじゅうの王様にします。
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着ぐるみのようなレトロ感溢れるかいじゅうたちの一挙一動がとても愛らしく、心をほっと和ませてくれます。
1人で寂しい思いをしていたマックスは、彼を王と慕うかいじゅうの仲間たちと楽しく過ごします。しかし、出て行ったはずのかいじゅうKWが忘れ物を取りにやって来たことで、かいじゅうたちの複雑な関係が明らかになります。
寂しがり屋のキャロルは仲間の元から去ったKWを許せず冷たくあたり、KWが一緒に暮らしたいと連れてきた新しい仲間にも意地悪な態度をとります。
思い通りにならない人に反発したり、仲良しだけでつるんだりするのは、子ども時代特有の感情と思われますが、大人になってもキャロルのような人は多いものです。人間社会を反映させたようなかいじゅうたちのシュールな世界に思わずドキリとさせられます。
監督は『マルコヴィッチの穴』の鬼才スパイク・ジョーンズ。複雑に入り組んだ癖のある過去作とは一転し、自己中心的な人間を戒め、ささやかな幸せに辿りつくストレートでピュアな物語は誰の心にも深く染み込むでしょう。
日本語吹替え版では、当時、こども店長で人気沸騰中の天才子役、加藤清史郎がマックスの声を演じています。
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- 発売日: 2011/07/20
- メディア: Blu-ray

- 作者:モーリス・センダック
- 発売日: 1975/12/05
- メディア: ハードカバー