人気ドラマシリーズの面白さは健在
緻密な科学捜査の醍醐味を堪能
科学捜査で殺人事件のトリックを解明する犯罪ミステリードラマ『科捜研の女』。20年以上続く、人気テレビシリーズが2021年に映画化されました。
重度の“科学捜査オタク”の法医担当・榊マリコ(沢口靖子)と、彼女を取り巻く、お馴染みの面々が世界をまたにかけた不審な科学者転落事件の真相に迫る本作は、長年のファンだけでなく、初めて観ても、とても楽しめる作品となっています。
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【ストーリー】
京都の洛北医科大学の法医学教授で解剖医の風丘早月(若村麻由美)が夜遅くまで大学の研究室にいたところ、かすかに「助けて」という声を聞きます。何事かと窓を見た早月の目の前を女性科学者が落下し、死亡してしまいます。
捜査一課の土門刑事(内藤剛史)や、榊マリコら科捜研のスタッフたちが現場に駆け付け、捜査を開始します。屋上に争った形跡はなく、自殺が疑われたが、土門が女性科学者と会ったと思われる男性科学者を追跡したところ、男性科学者が突然、建物から飛び降りて、死亡しまいます。そして、ロンドンやトロントでも科学者の不審な転落死が続きます。
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おっとりとした印象のマリコが科学捜査のことになると、がぜん熱が入り、あっと驚く発見をして事件を解決してしまいます。そんなマイペースで、ちょっぴり天然気質のマリコに好感が持てます。いつまでも清楚で控えめな印象の女優・沢口靖子さんならではのキャラクターです。
〈未知の細菌〉を研究する謎めいた天才科学者・加賀(佐々木蔵之介)が絡む事件は二転三転し、あっと驚くトリックも。科学の知識が必要な本格ミステリーはなかなかスリル満点です。
また、警視庁に勤めるマリコの元夫・倉橋(渡辺いっけい)まで巻き込んだ人間関係の妙は長年のファンならたまらないでしょう。
20年以上かけて成長したキャラクターたちが堂々のスクリーンデビューを飾りました。