映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ブーリン家の姉妹(2008)

16世紀、イングランド王妃の座をめぐる姉妹の愛憎劇の顛末を描いた同名ベストセラー小説の映画化です。

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【ストーリー】
イギリスの片田舎に住むトーマス・ブーリン卿には、2人の娘アン(ナタリー・ポートマン)とメアリー(スカーレット・ヨハンソン)がいました。妹メアリーは政略結婚で裕福な商人の息子ウィリアムと結ばれますが、優しいウィリアムとの穏やかな幸せに満足していました。
一方、姉のアンは、父のブーリン卿や叔父のノーフォーク公爵の策略に従い、国王ヘンリー8世の愛人候補に名乗りを上げます。勝気なアンは、鹿狩りのためブーリン家に滞在中のヘンリー8世に積極的に迫りますが、ヘンリーが選んだのは貞淑なメアリーでした。

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一族の繁栄のために、王の愛人となり、世継ぎとなる男子を産むことを求められた姉妹。権力と富を求めた大人の陰謀に巻き込まれたかに見える姉妹ですが、アンがとてつもない欲望と野心の持ち主だったことから、ブーリン家に想像を絶する悲劇が待ち受けます。

実在の女性アンは、計画ずくでヘンリー8世の愛を勝ち取ると離婚を迫り、イギリスのローマ・カトリック教会からの脱会、新教創設という歴史的事件を導き、最後には不義姦通罪で処刑された悪名高き女性。しかし、皮肉なことに英国を救う稀代の女王エリザベス1世の母という顔も持ちます。

そんなエキセントリックな女性アンとヘンリー8世との間に起った史実にベースに、対照的な生き様を見せる姉妹の愛と確執が描き出されます。

自分を差し置き、王の愛人となったメアリーへの嫉妬心から魔性の女へと変貌していくアンと、メアリーを始め、アンにより運命を狂わされたブーリン家が辿る戦慄の運命があますところなく描かれ、見ごたえがあります。

鬼気迫るナタリー・ポートマンの演技には思わず身震いしてしまいます。


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