バーティカル・リミット(2000)
壮絶な雪山の救出劇が兄妹の確執を埋める
最も危険な山K2で繰り広げられるサバイバルアクション
舞台は八方を急斜面に囲まれ、最も危険な山と恐れられる世界第2位の高峰K2(チョゴリ)。難攻不落の雪山に挑んだ人間たちが、次々に襲いかかる自然の猛威に立ち向かいます。
最も危険な山と恐れられるK2を舞台に、決死の救出劇が繰り広げられる山岳アドベンチャー大作。そのスケールの大きさとリアリティは保証付きです。何しろキャスト、スタッフともども実際に標高8000メートルまで登り、撮影を敢行した、というのですから。
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【ストーリー】
父親のロイヤル、妹のアニー(ロビン・タニー)とロッククライミングを楽しんでいたピーター(クリス・オドネル)に悲劇が起こります。同じ絶壁を登っていた無鉄砲な若者の巻き添えをくい、1本のロープで繋がっていた3人も宙吊り状態になってしまいます。3人の重みでロープが耐えられないことを悟った父は真ん中にいるピーターにロープを切ることを命じます。苦悩の末ピーターがロープを切ると、一番下にいる父はロープとともに落下していきました。
それから3年、事故の痛手から山に登ることを辞めたピーターはネイチャー・フォトグラファーになっていました。一方、登山家になったアニーは、父を見捨てた兄を許せないでいました。
そんなアニーがK2登頂中、氷のクレバスに落下し、閉じ込められてしまいます。そこで、ピーターは5人の登山家とともに、無謀な救出作戦を決行。しかし、一人、また一人と奈落の底へ消えてゆくことに……。
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公開時、最新特殊視覚効果技術が話題を呼んだデザスター・サバイバル・アクション映画です。
猛吹雪、雪崩、目の眩むような断崖での闘いなど、生々しい自然の脅威を捉えた映像は身震いするほどの恐怖をもたらします。
しかし、本当に恐るべきものは、極限状態がもたらす複雑な人間心理にほかなりません。冒頭のショッキングなエピソードがそのことを雄弁に物語ります。
そして、山岳チームの救助に向かった6人の登山家たちにも、K2の猛威が襲い掛かります。体力以上に精神力が奪われ、勇気、意志、欲望、忍耐など、人間に備わるあらゆる力が限界を超えたとき、想像を絶するドラマが幕を開けます。
父親の死をきっかけに、ピーターとアニーの間には壁がそびえ立ち、兄妹が持つべき信頼と絆が分断されました。彼らを隔てる壁は、人間の肉体の限界を超えた8000メートルの雪山K2からの奇跡の生還によってしか壊すことはできません。
実際に標高8000メートルの山岳で実写撮影された、壮大な雪山のパノラマのワイド感、目のくらむような高さを立体的に映し出すキャメラアングル、ダイナミックな特殊視覚効果を駆使した雪山の救出劇は、恐怖を超えて崇高な人間性を映し出します。
監督は『マスク・オブ・ゾロ』のマーティン・キャンベルが手掛けています。