映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ペンタゴン・ペーパーズ(2018)

政府と闘った新聞社の葛藤と勇気ある決断
スピルバーグ監督が 問いかける“真実の報道”

政府が隠蔽した、国家の最高機密文書<ペンタゴン・ペーパーズ>の公表をめぐる、政府と新聞社との息詰まる駆け引きを描く社会派サスペンス。

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【ストーリー】
1971年、極秘にペンタゴン・ペーパーズを入手したニューヨーク・タイムズが、衝撃的なスクープを報道しました。7000ページにわたるペンタゴン・ペーパーズに書かれていたのは、国防総省ペンタゴン)が、20年以上にわたり、ベトナム戦争を客観的に調査、分析し、負け戦であることを理解しているにもかからず、国民に虚偽の報告をしながら、戦闘を続けているという事実でした。

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描かれるのは、政府と闘った、アメリカの新聞社の葛藤と勇気ある決断。なかでも中心になるのは、ワシントン・ポストでした。

政府がニューヨーク・タイムズに記事の差し止め命令を訴えるなか、文書の入手に成功したワシントン・ポストの編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)はさらなる文書の掲載を熱望しますが、社の将来を危惧する社内の幹部や弁護士から反対の声が上がります。

そして、文書公表の決断は、自殺した夫の跡を継ぎ、専業主婦からワシントン・ポストの経営者となったキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)にゆだねられます。

監督はスティーブン・スピルバーグ歴史的なスクープ報道の裏側をスリリングに描くとともに、そこに関わる人々の苦悩や葛藤を丁寧に描き、重厚な人間ドラマに仕上げています

世間を揺るがす重大な決断を迫られたキャサリンを繊細に演じたメリル・ストリープは、21回目のアカデミー賞主演女優賞にノミネート。トム・ハンクスは熱血漢のベンを迫力たっぷりに演じ、物語を引き締めています。

この後、ウォーターゲート事件のスクープへとつながる、70年代の新聞記者たちの、正義を貫く、熱い気風がスクリーンからみなぎります。

2018年の映画公開時は日本でも公文書の隠蔽問題が起こり、“真実の報道”について問いかける、タイムリーな作品となりました。

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)

  • 発売日: 2018/06/22
  • メディア: Prime Video


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