映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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フジコ・ヘミングの時間

苦難を乗り越えて生きるヒントが詰まった
“奇跡”のピアニスト、フジコ・ヘミングの半生

60代後半でデビューし、80代になる今もなお、多くの人々の心を魅了する“奇跡”のピアニスト、フジコ・ヘミング。本作は、パリを拠点に世界を飛び回るフジコの2年間を追い、その人間的魅力に迫った初のドキュメンタリー映画です。

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【ストーリー】
大好きなアンティークと2匹の愛猫に囲まれたパリでの暮らしや、体の不調を抱えながらも精力的に続けるコンサート活動の様子、そして、波乱万丈の半生など、フジコのすべてが包み隠さず語られています。

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中でも興味深いのは、フジコのルーツ。昭和初期にハーフとして生まれた苦労、スウェーデン人の父との別れ、ピアニストの母との確執、弟との絆など、はるか昔の出来事が、フジコが14歳の時に描いた絵日記に克明に記されており、アーティストとしての豊かな才能を感じさせます。

ピアニストとして活躍する目前、聴力を失い、長くピアノ教師をしていたフジコは、日本のテレビ番組出演をきっかけに遅咲きのデビューを飾ります。フジコの魅力である、ダイナミックで情感あふれる旋律は、数々の苦難を乗り越えたからこそ生まれた、“魂の叫び”であることがよく分かります。

フジコの人生の節目となる曲として、実際の演奏が聴けるのも、この映画の素晴らしいところ。特に、彼女が大切にしているという『ラ・カンパネラ』の演奏は圧巻。彼女のドラマチックな生き様を投影するような旋律に心が震えます。

誰にでもある苦難の時を、どのように過ごすか? 名声におごることなく、ピアノや家族、友人など、好きなものを慈しみ、丁寧に生きるフジコの姿に、そのヒントが詰まっています。


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