映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ハリー・ポッターと賢者の石

世界中の人々を魅了した、魔法のようなファンタジー映画
ハリー・ポッター』シリーズ記念すべき1作目

魔法使いの能力を秘めた孤児の少年ハリー・ポッターが偉大な魔法使いとして成長していく姿を描いた『ハリー・ポッターと賢者の石』は、1997年に出版され、世界中でベストセラーを記録したファンタジー児童書。魔法魔術学校で勉強する魔法使いの子供たちの物語は、絵空事に留まらないリアリティと親しみやすさに溢れ、老若男女を問わず多くの人々に魔法を信じる素直な心をよみがえらせました。

2001年に映画化された本作は、そんな不思議な世界を体感したいと望む世界中のハリ・ポタファンの期待に応えて登場。『ホーム・アローン』シリーズや『ミセス・ダウト』のクリス・コロンバスが、原作に忠実な映画化を約束して前代未聞の監督オーディションを勝ち抜き、メガホンをとりました。

以降、2010年公開の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』までシリーズ全作が映画化されましたが、2000年代はハリウッドの視覚効果技術の発展がめざましく、新しい映像世界を純粋に楽しめた、良い時代だったな、としみじみしてしまいます。

ハリー・ポッター』シリーズは映画の醍醐味を堪能できる、まさに魔法のような映画です。

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【ストーリー】

意地悪な叔母夫婦の家でみじめな暮らしをしていた孤児のハリー・ポッターダニエル・ラドクリフ)は、11歳の誕生日にホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証を贈られます。

実は亡くなった両親が優れた魔法使いであり、彼にもその血が受け継がれていると知らされたハリーは、彼を迎えに来たホグワーツの森の番人、ハグリット(ロビー・コルトレーン)に連れられ、人間には見えないロンドンのキングス・クロス駅の9と3/4番線から発車するホグワーツ特急に乗って、ホグワーツへ向かいます。

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両親を倒した宿敵、邪悪な魔法使いヴォルデモードとの対決がハリーに課された使命なのですが、映画版『ハリ・ポタ』シリーズの序章となる本作では、不思議の国ホグワーツの魅力とそこに生きる魔法使いたちがどんなに素敵かっていうことを伝えることに徹しています。

魔法の杖や空飛ぶほうきの使い方を教わったり、開かずの間に忍び込んだり、怪物トロールと対決したり、命をかけて友達を救ったり……。ハリーの学校生活は限りなく驚きと興奮に満ち、それらを描き出す視覚効果をふんだんに盛り込んだ映像はどこまでも楽しい!

ただし、この魅力ある映像がどこまで原作の持ち味であるダークサイドに迫れたか? 私はちょっと物足りなかったのですが、以降の映画がどんどん暗く、闇が深くなっていくことを思うと、アトラクションムービーのような1作目の明るさにはほっとさせられます。

ハリー役のダニエル・ラドクリフや、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンら、まだあどけない子役たちも初々しくて、本当にかわいい!

また、ハリ・ポタと言えば、原作者のJ・K・ローリングの“大逆転”人生にもとても刺激を受けました。離婚して、生活保護を受けていたシングルマザーのローリングが、キッチンやカフェのテーブルで書き上げたのが『ハリー・ポッターと賢者の石』。

最初はいくつもの出版社に断られながらも、ついに出版が決まると大ベストセラーを記録。以降、とてつもない成功を収めます。元々才能があったのでしょうが、どん底から見事に這い上がった彼女の人生にも勇気と希望をもらえます。


ハリー・ポッターと賢者の石 [ ダニエル・ラドクリフ ]


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