映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

セックス・アンド・ザ・シティ2(2008)

グレードアップした世界観で奮闘する“豪快ねーさん”たち
女性がぶつかる結婚、仕事、年齢の壁 SATC流の突破法

恋愛や仕事、美しさ――。理想の生き方を模索する4人の女性たちの奮闘を、夢と現実の絶妙なバランスを保って描き、多くの女性の憧れと共感を呼んだ米国の大人気テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の映画シリーズ第2弾です。

アメリカの歌姫アリシア・キースが歌うメロウなナンバー『エンパイア・ステイト・オブ・マインド(パート2)ブロークン・ダウン』をバックに、壮大なニューヨークの摩天楼の中からダイヤのように光輝く『SEX AND THE CITY』のタイトルが静かに現れます。

クールでゴージャス感溢れるオープニングタイトルはまるで「どうよ」と言わんばかり。奔放な女性たちが織りなすSATCの、さらにグレードアップした世界観に胸が躍ります。

物語の幕開けはゲイカップル、アンソニースタンフォードの意外な結婚式。洒落た洋館を純白に染めたロマンティックな式はおなじみの下ネタ満載の大人のジョークが飛び交い、カメオ出演ライザ・ミネリが妖艶なダンスを披露するなど、賑やかなことこのうえないです。

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【ストーリー】
物語の核になるのは結婚の理想と現実。キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)は最愛のビッグ(クリス・ノース)と結婚して2年、ロマンティックなデートが減り、倦怠期の夫婦のような味気ない生活に失望気味でした。
ビッグに不満をぶつけると、ビッグから週に2日、離れて暮らし、お互い自由な時間を持とうと提案されてしまいます。つまり週休2日の結婚生活がありなのか、キャリーは悩みます。
一方、シャーロット(クリスティン・デービス)は2人の娘の育児に疲労困憊、頼れるけれど若くて豊満なベビーシッターと夫との浮気も心配です。
また、ミランダ(シンシア・ニクソン)は男尊女卑の上司のいる職場を辞め、仕事漬けの生活を見直し、サマンサ(キム・キャトラル)は更年期にさしかかり、若さを保つために必死になっていました。

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それぞれの悩みを抱えた4人がやり手のサマンサの仕事がてらに、タダでドバイの高級リゾートホテルへ1週間滞在することになります。

ドバイ旅行は贅沢を極め、女性の夢を体感させてくれるSATCならでは。サマンサの欲情ぶりもいつも以上に際立ち、とにかく映画らしく、スケールの大きい作品にしようとする製作者のがんばりが伝わってきます。

はちゃめちゃな休暇旅行を通して、4人は新しい価値観に出合い、悩みを解決します。

伝統と自分らしさの融合――。それは、女性の地位がまだまだ低く、ブブカで顔や個性を隠す伝統の残る中東だから説得力を持ちます。

お気楽な女性たちの物語に見えつつ、普遍的ですが、つい忘れがちなメッセージを残すのもSATC流。最後に大切な人と生きる幸せをしみじみと伝えます。

明るく、逞しく、しなやかに生きるヒロインたちは必見。徹底的に女性の立場に立った最強〈ガールズ〉ムービーです!

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私は元々、SATCファンなので、“豪快ねーさん”たちの奮闘を素直に楽しめたのですが、批評的にはあまり良くなかったようです。4人全員がゴールデンラズベリー賞の主演女優賞を受賞するという結果に……。

とはいえ、先行き不透明な鬱屈した時代、現実の憂鬱な気分を束の間でも吹き飛ばしてくれるようなお気楽な映画があってもいいと思います!


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