映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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天使と悪魔(2009)

ダ・ヴィンチ・コード』をしのぐスリルとアクションと面白さ
カトリック教会をめぐるミステリーをリアリティたっぷりに描く

世界中でベストセラーを記録し、一大ブームを巻き起こしたミステリー小説ダ・ヴィンチ・コード』の続編です。

シリーズの主人公、宗教象徴学の権威ロバート・ラングドン教授トム・ハンクス)が、カトリック教会の総本山ヴァチカンを襲った猟奇連続殺人事件の犯人を追い詰めます。

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【ストーリー】
スイスにある世界最大の素粒子物理学研究所セルンで、強力な爆発物 “反物質”が盗まれます。ヴァチカン市国では、ローマ教皇の死去に伴う新教皇の選挙コンクラーベを前に4人の有力候補の枢機卿が拉致されてしまいます。
拉致犯は「午後8時から1時間毎にローマ市内の4つの教会で枢機卿を1人ずつ惨殺し、午前0時にはヴァチカンに仕掛けた反物質によって、ヴァチカンを壊滅させる」という恐ろしい犯行予告をヴァチカンへ突きつけます。

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今回の事件の鍵になるのは、17世紀、ガリレオ・ガリレイを中心に結成された科学者たちの秘密結社イルミナティ

科学により、神の存在を真っ向から否定したため、カトリックに弾圧されたイルミナティ教皇の死を契機によみがえり、ヴァチカンに報復しているという、まるで過去の亡霊が起した神がかり的な事件のようですが、ラングドンガリレオが著書に残した暗号や、カトリック教会にまつわる史実をヒントに推理を働かせ、4つの教会を解き明かしていきます。

まるで本当の暗号であるかのように現存するガリレオの著書や、実在するローマの教会、彫刻などに隠された意味が次々につながり、ラングドンを犯行現場へと導く展開は原作の醍醐味ですが、映画もラングドンの名推理と新発見に驚きながら、ローマの街を疾走しているうちに瞬く間に時間が過ぎます。これほど時間を感じさせない映画も珍しいのでは?

1時間ごとに犯行現場を見つけねばならないイムリミットサスペンスがスリルと緊迫感を高めているのに加え、エンターテイメントに徹した切り口のためでしょう。枢機卿救出作戦の一方で、新教皇の座をめぐるヴァチカン内部の対立や前教皇の殺害が明るみになり、さらにラングトンの身にも危険が迫るなど、さまざまな事件が勃発します。

人質の胸に焼き印を押して惨殺する拉致犯(ニコライ・リー・コス)との対決アクション、反物質爆発の危険が目前に迫るクライマックス、どんでん返しのラストまで手に汗握るシーンが連続します。

何でもありのエンターテイメント色が強すぎて、はちゃめちゃな印象を覚える向きもあるかもしれません。でも、この尋常じゃないスピード感と面白さは体験の価値ありです!

天使と悪魔 (字幕版)

天使と悪魔 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


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