映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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新宿インシデント(2009)

ジャッキー・チェンが初のバイオレンス映画で
歌舞伎町の裏社会で生きるマフィアを熱演

ヤクザや外国人マフィアが暗躍する新宿・歌舞伎町の裏社会で、密入国した中国人たちが血みどろの勢力争いに巻き込まれていく――。

ジャッキー・チェンがヤクザの悪事に加担しながら、中国マフィアのドンへと上り詰める密航者に扮し、初めてバイオレンスアクションに挑んだ作品です。

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【ストーリー】
日本に密航した中国人・鉄頭(ジャッキー・チェン)は同郷の友人、阿傑(ダニエル・ウー)を頼りに密航者たちが集まる東京・大久保のアパートにたどり着きます。密航者たちは警察の手入れをすり抜けながら、最低賃金の日雇い労働でなんとか暮らしている状態でしたが、ある事情から日本で生きる決意を固めた鉄頭は金を稼ぐために犯罪行為に手を染めてしまいます。
偽造テレカ売りや偽造カード詐欺、パチンコ台の不正など、仲間の密航者たちも鉄頭に加わり、犯罪は次第にエスカレートしていきます。そんなとき、犯罪行為から手を引いた阿傑が誤解から中国人ギャングに襲われます。
鉄頭は阿傑の復讐のためにギャングのアジトへ潜入、壮絶な戦いの末、図らずも命を救ったヤクザの幹部・江口(加藤雅也)に腕を認められます。

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コメディタッチのアクション映画で人気のジャッキー・チェンと、凄惨なアクションシーンがウリのバイオレンスアクション映画。相反する両者の融合に、それぞれのファンはと惑うでしょうが、バイオレンス映画のファンにとっては期待を裏切らない仕上がりになっています。

香港映画界のヒットメーカー、イー・トンシン監督は、凄惨なアクションシーンを通し、ヤクザや中国人マフィアが巣くう歌舞伎町の恐ろしさを思い知らせます。

ジャッキー・チェンも渾身の演技で、恐怖の裏社会に違和感なく溶け込んでいます。明るいジャッキーが好きなファンにはショッキングな内容ですが、ハリウッド進出も成功し、映画俳優として常に進化し続けていたジャッキーの新たな顔を見ることができます。


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