映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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宇宙戦争(2005)

パニックと破壊の規模はけた違い
親子愛の感動も宇宙人の恐怖も吹き飛ぶ

アクションシーンの迫力と凄まじさは過去の作品とはけた違い。製作された2005年時点では、最高峰の技術力を結集したパニック&破壊アクションフィルムでしょう。

H・G・ウェルズの原作をジョージ・パルが映画化した『宇宙戦争』('53年)のリメイクです。

スティーブン・スピルバーグ監督にとってE.T.』以来の宇宙人侵略映画として注目されましたが、人気者のトム・クルーズ、技術力のILMなど、ハリウッドきっての布陣を擁して圧倒的なパニックと破壊に満ちた世界を生み出しました。

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【ストーリー】
港湾労働者のレイ(トム・クルーズ)が離婚した妻(ミランダ・オットー)の元で暮らしていた2人の子供たちを預かることになります。
離婚の原因はおそらく粗野なレイのせいでしょう。兄のロビー(ジャスティン・チャットウィン)は反抗的な態度をとり、妹のレイチェル(ダコタ・ファニング)も素気無い素振りを見せます。
そんなとき、地中から飛び出した巨大なマシーンが街中を破壊し始めました。恐ろしい光景を目撃したレイは子供たちを連れて街から逃げ出そうとします。

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冷めた関係の父と子が死の淵からの逃避行を経てどう変わるか。迫りくる死の恐怖にさらされた人間がどう変わるか。そこが、〈なぜ〉、〈何のために〉宇宙人は攻撃するのかという、最たる疑問よりも重要なところ。

巨大クラゲのような攻撃マシーン、トライポッドの外観はレトロな特撮映画に出てくるような代物ですが、鋭い殺人光線を次々に繰り出し、人々の体をこっぱみじんにしていく光景はかなり衝撃的です。

瞬く間に廃墟と化していく街を駆け抜け、家に帰ってきたレイ。茫然自失に陥った後すぐさま考えたのは子供たちを生かすことでした。

父親が命懸けで子供を守れば感動的に映るでしょう。まして仲違いしている親子なら感動は倍増、と言いたいところですが、憎まれ口はたたき合うものの、親子は意外に早くなじんでしまいます。

肝心要の宇宙人はと言えば、実際に見てのお楽しみですが、宇宙人登場までのほうがスリリングです。

スピルバーグの意図した親子愛の感動や、宇宙人侵略の恐怖を期待すると肩すかしを食らいますが、そこへ到達するまでのパニック劇は抜群に面白い

親子は『ゾンビ』のように群がる暴徒化した民衆に襲われ、『タイタニック』や『ジュラシック・パーク』のクライマックスシーンを経験します。

過去の人気作品のおいしいどこ取りなのだから、面白くないはずはないけれど……。


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