映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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リミット(2010)

生き埋めの恐怖を描く
究極の体感型サスペンススリラー

棺桶のような箱に閉じ込められ、生き埋めにされた男の運命が描かれます。

全編、暗く、狭い箱の中だけで物語が展開する究極の体感型サスペンススリラーです。

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【ストーリー】
主人公はアメリカ人のトラック運転手ポール・コンボイイラクで物資の輸送中に襲撃に遭い、気が付くと箱の中に入れられ、生き埋めにされていたのです。

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箱は固く閉ざされ、叫んでも何の反応もありません。横たわったまま身動きも出来ないポールの恐怖と絶望感は察するに余りあります。映像を観ているだけで息苦しくなってきます。

この困難な状況からどうやって脱出するのでしょうか? 彼は箱の中にあった携帯電話を使い、外部との接触を試みますが、イラクの土中で生死の境にいるポールの必死の助けを、遠く離れたアメリカで平穏な日常生活を送るアメリカ人が理解できるはずもありません。家族は不在、知人は半信半疑、会社やFBIは部署をたらい回しにするなど、誰も真剣に取り合おうとしません。

スクリーンに映し出されるのは、悲惨な状況と必死に戦うポールの姿のみ。ライターの薄灯りの下、必死に電話をかけまくるポールと、電話の相手との会話で物語が進んでいきます。

ようやく米国防総省イラクの人質救出班の責任者と電話がつながり、ポールの救出が約束されます。その一方で、犯人から電話が入り、彼の解放と引き換えに多額の身代金を要求します。

全編、箱の中だけで展開する物語を見事に成立させてしまう構成力には本当に驚かされます。しかも、相当怖い! なぜなら、アメリカへ猛烈な復讐心を抱くイラク人の恐ろしさ、テロリストに屈しないと豪語するアメリカの態度など、かつての(今も?)状況を踏まえると、この映画でポールの身に起こる全てのことは実際にあり得そうだから。衝撃的な結末も含めて……。

斬新なアイデアを完璧に成功させたスペイン人監督ロドリゴ・コルテス恐怖のドラマをたった1人で演じ切った主演ライアン・レイノルズの健闘が光ります。必見の作品です。


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