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ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画(2019)

不可能に挑んだインドの火星探査ミッションとは?
ポジティブになれる楽しいインド映画

2014年、インドがアジアで初めて火星探査機「マンガルヤーン」の打上げに成功しました。その快挙までの軌跡をユーモラスに描いた本作は、インド映画らしいポジティブなパワーに溢れた作品です。

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【ストーリー】
2010年、インドの宇宙事業の命運をかけたロケットの打ち上げが失敗に終わります。それは、
インドの宇宙研究機関(ISRO)で、プロジェクトディレクターとして働くタラ(ヴィディヤ・バラン)の判断ミスでした。
タラはプロジェクト責任者のラケーシュ(アクシャイ・クマール)とともに、火星探査プロジェクトに移動させられてしまいます。技術力も予算も劣るインドにとって、火星探査機の開発など夢のまた夢で、2人はいわば「閑職」へ追いやられたのでした。
ラケーシュは実現不可能な火星ミッションに虚無感を感じていたものの、主婦のタラが「揚げパン」の作り方にヒントを得て、火星プロジェクトの可能性を見い出したことから、がぜんやる気に。ISRO幹部の反対を押し切り、火星ミッションに着手します。
ところが、期待されていないプロジェクトへ配属されてきたのは、経験の浅い人材ばかりでした。家庭問題に悩む妊娠中の女性設計士、NASAを目指す野心家の女性エンジニア、女性運が無い奥手の男性技術者、定年退職間近の老設計士など、壮大なプロジェクトの実現には頼りない面々でしたが、ラケーシュは前向きにプロジェクトに取り組み始めます。

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未熟な技術や低予算、天候の問題など、次々に訪れる困難をインドの“ジュガード”(創意工夫)の精神で解決していきます。その中心になるのが、鮮やかなインドの民族衣装サリーをまとった女性たちというのがこの作品の見どころでもあります。

彼女たちがプロジェクトもさることなら、女性ならではのプライベートやキャリアの悩みも軽やかに乗り越えていく姿がとても清々しい!

キャラクターのドラマチックなエピソードはフィクションでしょうが、不可能を可能にした奇跡の実話には、信念を貫き、前向きに生きることの大切さを改めて気づかされます。

インドで清潔な生理ナプキンの開発に成功した男性の実話を描き、スマッシュヒットを記録した『パッドマン 5億人の女性を救った男』(’18年)の主演・製作スタッフが再集結。

本作でも、インドの偉業を称えるとともに、観る者に希望と勇気を与えるインド映画の魅力を世界へ発信しています。


ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画 [ アクシャイ・クマール ]