映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(2015)

アメリカも日本も、世界の良い“常識”を見習おう!
マイケル・ムーア監督流の爽快な社会派ドキュメンタリー

銃規制、対テロ戦争、医療問題、資本主義など、アメリカの社会問題を鋭く追及してきたマイケル・ムーア監督。取材拒否をする相手にはアポ無しで突撃する、その過激で痛快な手法で一躍脚光を浴びた稀代のドキュメンタリー監督が、また新たな手法でアメリカの問題に切り込みました。

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【ストーリー】
ムーア監督の“世界侵略”とは、外国の見習うべき“常識”をアメリカに持ち帰ること。建国以来、アメリカが重ねてきた侵略の歴史を皮肉った、ブラックユーモアを交えつつ、アメリカを良くするための世界の習慣や制度を次々に紹介していきます。

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イタリアからは長期間のバカンス制度、フランスからはヘルシーな食習慣、ドイツからは労働者を守る労働環境、スロベニアからは学費が無料の大学、他にも囚人が快適に暮らす刑務所、女性の社会進出や男女平等など、日本人にとっても、驚くような習慣や制度ばかりです。

ムーア監督は、なぜそれらの制度が生まれたのかを丁寧に掘り下げます。各国が抱えていた問題の解決方法が、他国ではありえない常識になっていますが、そこには、各国の歴史や環境からくる、人々の性格や意識が根底にあるようです。

しかし、国を超えて共通しているものがあります。それは、生活を良く変えたい、という人々の強い思いと行動です。

ドイツを旅行中、ベルリンの壁が崩壊し、その現場に立ちあったというムーア監督。歴史的大事件を偶然、目撃した監督は、社会派ドキュメンタリー監督の申し子といっても過言ではないでしょう。過激でセンセーショナルな過去作とは打って変わって、取材対象に敬意を持ち、穏やかに取材を進めていきます。

ベルリンの壁が壊れたように、物事は必ず変わっていくはずです! 爽快で希望が湧いてくるラストのメッセージが印象的です。


マイケル・ムーアの世界侵略のススメ [ マイケル・ムーア ]


マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(字幕版)