映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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フライ・ダディ(2006)

打たれても立ち上がる! 熱い韓国映画
闘うお父さんになるために愉快で過酷な特訓

我が子が傷つけられたとき、父親に何ができるのか?
傷ついた娘を守るために立ち上がる父親の涙ぐましい奮闘をコミカルに描いた金城一紀のベストセラー小説『フライ、ダディ、フライ』。

堤真一岡田准一共演で映画化された日本版に続き、韓国版が登場しました。

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【ストーリー】
39歳の平凡なサラリーマン、ガピル(イ・ムンシク)の一人娘ダミ(キム・ソウン)が、カラオケボックスで知り合った男子高校生テウク(イジュ)に殴られて入院することに。テウクの通う高校の教師たちは事件を内密にしようとガピルを脅し、テウクも反省する様子はまったくありません。
父親としての無力を紛らすかのように、ダミの軽率さを叱ったガピルは、落ち込むダミから「会いたくない」と告げられてしまいます。
そこでガピルはどうしたか? 高校ボクシングのチャンピオンであるテウクと対決するために、喧嘩のプロと噂される高校生スンソク(イ・ジュンギ)の指導の下、闘う練習を始めるのです。

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ひたすらマジメに生きてきた小心者の中年男が、娘の信頼を取り戻すために一念発起! 仕事もプライドも捨てて過酷な特訓に取り組む姿がユーモアたっぷりに描かれます。

高校生を師匠と崇め、しごきのような特訓をけなげにやりぬくガピルの人の良さに思わず笑ってしまいます。小太りで冴えないおじさんの代表のようなイ・ムンシクが最高にいい味を出しています。

一方、『王の男』(’06年)の妖艶な演技でブレイクしたイ・ジュンギが、陰のあるスンソクをクールに演じ、男らしさをアピールするのも注目です。

クライマックスは、テウクとのボクシングシーン。リングで闘うガピルの姿は、心に傷を抱えたスンソクや、好奇心で見にきた高校生たちのハートを熱くします。

打たれても打たれても立ち上がるガピル。無様でも一生懸命やることに意義があります。ぜひ見習いたい大人のあるべき姿です。


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