映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ハートロッカー(2008)

戦場の凄惨で非情な現実を克明に描き
戦争の虚しさを伝える

2011年、アメリカの完全撤退によって、8年間にわたるイラク戦争終結しました。本作は戦闘中の2008年にイラク戦争の知られざる真実を描いた衝撃作です。

イラクにおける米軍兵士の戦死理由は半分以上が“爆弾”であり、爆発物処理に携わる技術兵の死亡率は他の兵士よりもはるかに高かったそうです。バグダッドで爆発物処理にあたる米軍兵士たちが遭遇する戦場の凄惨で非道な現実に思わず言葉を失います。

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【ストーリー】
2004年夏。イラクに駐留する米陸軍の爆発物処理班、ブラボー中隊に所属するサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)は、予期せぬ誤算で爆弾処理に失敗し、班長を失ってしまいます。
2人は新たなリーダーにジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)を迎えますが、ルールを無視し、独断で作業を進めるジェームズのやり方は仲間に危険をもたらすものでした。

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地中や車、建物に加え、自分や他人の体にまでも爆弾を仕掛けるイラク反乱軍の常軌を逸した攻撃に、兵士たちがいかに向き合っているか。また、どんな気持ちで向き合わざるを得ないのか。

その答えとなる異端児ジェームズという、戦場の最前線で生きることを選んだ兵士の姿に改めて戦争の虚しさを感じます。戦争がなくならない限り、人間性を失った犠牲者も加害者も増え続けるのです。

常に死と隣り合わせにいても平静でいられる人間の精神性について興味を抱いたジャーナリストのマーク・ボールが、実際にイラクの爆弾物処理班で取材を行った体験を基に脚本を書き上げました。

兵士たちの生々しい言葉に満ちた物語をドキュメンタリータッチの映像で胸に迫るものにしたのは『K-19』の女流監督キャスリン・ビグロー。2009年度のアカデミー賞では『アバター』に並ぶ9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞など6部門を受賞。元夫婦の関係だった、ビグロー監督と『アバター』のジェームズ・キャメロン監督との“激突”も注目されました。

ハート・ロッカー(字幕版)

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ハート・ロッカー [DVD]

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