映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005)

成長著しい人気子役とCG満載のアクションシーン
原作同様、続きが気になる映画シリーズ第4作

今年2021年は『ハリー・ポッター』シリーズ映画化20周年だそうです。2001年の『ハリー・ポッターと賢者の石』から2011年の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』までの10年間、謎めいた魔法使いたちのドラマティックな闘いがどのような形で映像化されるのか、楽しみにしていた人も多いでしょう。

ところが、全7巻で完結する予定の原作がまだ進行中にもかかわらず、すべて映画化すると発表したハリウッドのやみくもで力ずくな製作姿勢へもの申したいところもあったのでしょうか。映画シリーズ開始当初は、まん丸メガネが愛らしい魔法使いの少年ハリーを始め、物語の中心になる子役たちが、作品が進むうちに成長してしまうため、早々の映画化を皮肉る向きもありましたが、次第に彼らの成長こそが、映画版の重要な鍵となりました。

また、原作ファンにはエピソードが描きこまれていないという不満もあったようですが、3作目辺りから映画版ならではの楽しみが生まれてきました。監督や俳優の起用はそのひとつで、ハリウッド大作や娯楽ファンタジー映画の伝統に縛られていない映画陣たちの積極的な抜擢は単なるお祭り騒ぎで終わらせてはいけないと気づいた製作側の成長の跡でしょう。

3作目のメキシコの新鋭アルフォンソ・キュアロンに続く、本作の監督はイギリスのベテラン、『フォー・ウェディング』のマーク・ニューウェル。俳優ではケネス・ブラナーゲイリー・オールドマンなどが重要な役で登場し、注目されましたが、4作目にして、ついに現われるハリーの宿敵ヴォルデモート卿は変幻自在の演技派レイフ・ファインズが演じています。演技的に未熟な子役たちをフォローする態勢も万全となりました。

秘密の部屋があったり、囚人が逃げ込んできたりと、危険極まりないホグワーツ魔法魔術学校で、今回、起こるのは三大魔法魔術学校対抗試合です。

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【ストーリー】
100年間封印されていた三大魔法魔術学校対抗試合は、命を落としかねない危険競技と噂されていました。そのため代表に立候補できるのは17歳以上の生徒なのですが、代表出場者を決める炎のゴブレットが各校1名、計3名の代表に加えて、14歳のハリーを選び出したことから、子どもたちの心にさまざまな変化が生じます。

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期間中は試合相手のボーバトン校のお嬢様軍団、ダームストラング校の屈強な男子たちが寄宿し、クリスマス舞踏会も開かれるなど、ホグワーツは華やいだ雰囲気に包まれます。その影で、竹馬の友というべきハリー(ダニエル・ラドクリフ)、ハーマイオニーエマ・ワトソン)、ロン(ルパート・グリント)が友情と愛情の間で微妙な関係になっていくところが本作のテーマです。

でも、いくら外見的に大人びたと言っても、やっぱり彼らはまだまだ子ども。内面的な成長は第5作以降のお楽しみとなりました。

そんななか、その成長に最も驚かされるのがCG技術です。結局、CGが呼び物となっても、グレードの高い映像は素直に楽しめます。続編ものは数を追うに従い、新味が薄れるなか、本シリーズは次第に楽しみが増す貴重な映画に成長しました。

第4作には、ステージをクリアしていくゲーム感覚のアドベンチャー、思春期真っ盛りの子どもたちの初々しい恋愛模様、そしてついに姿を現わす闇の帝王ヴォルデモード卿とのバトルなど、3つの見どころすべてに、活字が映像になったときの驚きがあります。

とくにハリーをしのぐ人気者となったハーマイオニー役の美少女エマ・ワトソンの変貌と、ヴォルデモード卿役のレイフ・ファインズの怪演は見ものです。


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