CG女優シモーヌが巻き起こす大騒動
落ち目の映画監督を演じるアル・パチーノが楽しい
落ち目の映画監督ヴィクターが、コンピュータで造り出した美人女優シモーヌが世界中で大ブレイク! ヴィクターは実在の女優と信じるマスコミやファンを相手に嘘を重ねていくはめになります――。
『トゥルーマン・ショー』(’98年)の脚本で注目されたアンドリュー・ニコルの監督第2作は、CGを例にして、テクノロジーに翻弄される現代人を戯画化したファンタジーコメディです。
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【ストーリー】
ヴィクター・タランスキー(アル・パチーノ)はかつてアカデミー賞にノミネートされたほどの映画監督でしたが、今や落ち目になってしまいました。出演者を繋ぎとめることもできず、映画プロデューサーのエレイン(キャサリン・キーナ―)に妥協を勧められても、プライドを捨てることができません。
そんなある日、主演女優に契約を破棄され、映画撮影が中止になってしまったヴィクターは、彼のファンだと言うプログラマーのハンクに出会います。ハンクは「自分なら理想的な女優を提供できる」と熱弁しますが、ヴィクターは怪しげなハンクにビビッて立ち去ってしまいます。
すると後日、ハンクの死の報せとともに、彼の遺品が届きました。それは、"SIMULATION ONE"と名付けられた、バーチャル女優作成プログラムでした。
9ヶ月後、新人女優“シモーヌ”を主演に据え、ヴィクターが監督した映画が大ヒットを記録。シモーヌは類い稀なる美貌と才能を持った女優として、注目を集めます。マスコミはシモーヌを追いかけますが、彼女はインタビューを拒否し、映画の宣伝活動にさえ姿を見せませんでした。
なぜならシモーヌはさまざまな有名女優のパーツを集めて造られたバーチャル女優だったのです。