映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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グッド・シェパード(2006)

アメリカ国家に人生を捧げた男の悲劇
デ・ニーロアプローチは監督でも健在

グッド・シェパード」とは、「良い羊飼いは羊のために命を捨てる」と語ったキリストの言葉の引用で、アメリカ国家を守るCIAを賛美した言葉と言えるでしょう。

しかし、本作はCIAを称えるのではなく、むしろ、愛国心に突き動かされ、孤独な任務に人生を捧げた諜報員エドワードの悲劇を色濃く浮かび上がらせます。

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【ストーリー】
時代は第2次世界大戦前夜。イェール大学の学生だったエドワード・ウィルソン(マット・デイモン)は、FBI捜査官サム・ミュラッハ(アレック・ボールドウィン)の依頼に応じて、親独派のフレデリック教授(フランク・ガンボン)の身辺を調査し、教授を辞職に追い込みます。この功績が認められ、大学内のエリートで構成される秘密結社スカル&ボーンズのメンバーになったエドワードは、やがて発足したCIAの諜報部員として、アメリカ国家を守るために暗躍することになります。

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戦後から冷戦時代にかけて、エドワードが関わるスリリングなCIAの諜報活動の数々が詳細に描き込まれ、家族の崩壊劇と同時に、闇の組織として成長していくCIAの歴史を丹念に掘り起こした内幕ものとしても見応えがあります。

リアリティにこだわり、役柄にとことんのめり込むデ・ニーロらしい渋いアプローチで、重厚な大人のドラマが完成しました。


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