映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

人生に迷えるアラフィフ女性が、映画を通して人生について考える。ネタバレなしの映画レビューサイト。

ウォンテッド(2008)

ダメ男から凄腕暗殺者へ
華麗なる変貌を遂げた異色のヒーロー

人気アメリカン・グラフィックノベルを映画化。監督は、世界的ヒットを記録したアクションホラー『ナイト・ウォッチ:NOCHNOI DOZOR』(05年)、『デイ・ウォッチ』(06年)のロシア人監督ティムール・ベクマンベトフ。この2作の成功により、ハリウッド進出を果たした鬼才が異色のヒーロー譚を生み出しました。

****

【ストーリー】
25歳の会社員ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)は、冴えない人生に嫌気がさしていました。会社では意地悪な女性上司にいびられ、恋人には会社の同僚と浮気され、その同僚にコケにされても文句も言えません。
そんな情けないウェスリーの前に謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現れます。彼女は、ウェスリーの失踪した父が偉大な暗殺者で、実は彼にもその資質があるといいます。ウェスリーは、人生を変えるため、悪人のみを暗殺する秘密組織〈フラタニティ〉に入り、暗殺者になる決意をします。

****

心の中に不満を溜め込み、例え自分が悪くなくても、「アイム・ソーリー」と謝ってしまう。緊張すると極度に鼓動が早くなり、不安発作用の薬を大量に服用してストレスをしのぐウェスリーのあまりに惨めな生活は悪いジョークのようで、思わず笑ってしまいますが、決して他人事だと思えない人は多いでしょう。

物語の中心になるのは、ウェスリーが暗殺者の訓練を受ける過程。フォックスを始め、フラタニティの凄腕暗殺者たちの壮絶なしごきにより、ウェズリーは命を落としかけながらも、心身共に暗殺者として成長していきます。

マトリックス』で話題を呼んだ、銃弾の軌道を捉えたバレット(銃弾)シーンも登場する、斬新なアクションシーンや、強さと妖しさを備えたジョリー、野性味溢れる男へと変貌を遂げるマカヴォイら俳優陣の力演、ウェスリーやフォックス、そして、フラタニティの真実の姿が次第に明らかになるストーリーなど、ドラマチックな展開にぐいぐい引き込まれます。

しかし、この映画の一番の魅力は、日常から飛び出したウェズリーの姿を通して、観る者に〈自分の生き方〉について考えさせること。ハリウッド製アクション映画らしからぬ深遠なテーマが息づいています。

ダメ男から凄腕暗殺者へ、華麗なる変貌を遂げた異色のヒーロー、ウェスリーの今後がとても気になります。

※本作の後日談として、ゲーム『Wanted: Weapons of Fate』が製作されたようです。
映画の続編も気になるのですが、もう無さそうですね。。。

ウォンテッド(字幕版)

ウォンテッド(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
ウォンテッド [Blu-ray]

ウォンテッド [Blu-ray]

  • 発売日: 2012/04/13
  • メディア: Blu-ray


Amazonプライム・ビデオ