映画の中の人生 ~50歳からの人生設計~

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わんわん物語(1955)

愛らしい犬たちの恋と友情と冒険を描いた
ロマンティックなディズニーアニメーション

1955年に製作された15作目のディズニー長編アニメーションは、優しい飼い主のもとで育った箱入り娘のコッカー・スパニエル犬レディと、町外れで自由気ままに生きる陽気な野良犬のトランプが織りなすロマンティックな恋物語

レディの世話を焼く紳士的なスコッチテリア犬のジャックや、従順だが猟犬の誇り高いブラッドハウンド犬のトラステゥイ、ほかにもマルチーズ、チワワなど個性豊かな犬が登場し、犬たちの生きる世界と素晴らしい友情が描かれています。

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【ストーリー】
ニューイングランドに住むディア家の夫ジムは、妻ダーリングへのクリスマスプレゼントにコッカー・スパニエル犬のレディを贈ります。2人はレディをとてもかわいがっていました。やがてディア家に男の子が生まれ、レディもジミーと名付けられた赤ちゃんを大切にしていました。
そんなある日、夫婦が旅行中にベビーシッターとして、セーラおばさんがやってきます。レディはネコ好きで犬嫌いのセーラおばさんに冷たくされたことから、家を飛び出してしまいます。そして、町で自由を愛する野良犬トランプに出会い、恋に落ちますが……。

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無類の犬好きだったウォルト・ディズニーの企画で生まれた本作は、既存のおとぎ話や小説をモチーフにしているディズニー作品と違って、完全なオリジナルストーリーです。そのため、アニメーターたちはビジュアル面で自由に発想を膨らませることができたそうです。

1950年代に台頭したシネマスコープを初めて取り入れた、艶やかなレディの毛並み、勇敢なトランプの凛とした表情、クライマックスの疾走シーンなど、リアルで躍動感あふれる犬たちの描写は必見です。

そして、スパゲッティを食べながら、少しずつ近づいていくレディとトランプのキスシーンも見どころの一つです。このシーンで流れる主題歌『ベラ・ノッテ』(イタリア語で「美しい夜」という意味)はとても素敵な歌で、ロマンティックなシーンを盛り上げます。

私の大好きな山下達郎さんがアカペラで『ベラ・ノッテ』をカバーしているのですが、「幼いころに初めて観たディズニー映画が『わんわん物語』で、とても印象に残っている歌です」とライブで話していました。ライブでも、自身の多重録音によるアカペラをバックに歌ってくれて、本当に素晴らしかったです。山下達郎さんによる『ベラ・ノッテ』は『わんわん物語II』(2001年)の主題歌になっています。

そして、『ベラ・ノッテ』はスウェーデンでは、なぜかクリスマスソングの定番となっているそうで、山下達郎さんも自身のクリスマスアルバム『Season's Greetings』に収録しています。

クラシックなディズニーアニメとマジカルな山下達郎さんの歌声。心が洗われるような映像や音楽とともに、静かにクリスマスの夜を過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。

I wish you a Merry Christmas!!!


わんわん物語(吹替版)


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わんわん物語 (オリジナル・サウンドトラック)


SEASON'S GREETINGS (20th Anniversary Edition) [ 山下達郎 ]